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片山修のずだぶくろトップインタビュー 第16回 小西工己氏(名古屋グランパスエイト社長)

名古屋グランパス、J2降格から平均観客数歴代1位へ復活遂げた“トヨタ式経営”

文=片山修/経済ジャーナリスト、経営評論家
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片山 小西さんご自身が、トヨタで鍛えられた成果は、生かされていますか。

小西 無理難題を意図的に設定して、課題をつくって取り組むことでしょうかね。標準作業があって、改善をして、効率化したお金と時間をつかって新しいことに取り組むというサイクルは、トヨタと同じです。グランパスの目指す姿は、(1)「観て楽しいサッカー」、(2)「町いちばんのクラブ」、(3)「優勝争いのできる安定的経営基盤」のスパイラルアップですが、このビジョンは、トヨタのビジョンそのものです。

片山 トヨタも、「町いちばん」とか、「安定的経営基盤」といいますね。

小西 私は、トヨタで35年間、学ばせていただくばかりでアウトプットがほとんどなかった。

片山 いやいや、そんなことはない(笑)。

小西 いま、ようやくほんのちょっとお返しできる入口のところにきたというイメージです。結果がわかりやすいですので、やりがいはあります。グランパスの場合は、事業のKPI(重要業績評価指標)と、チームのKPI、2つあるんですよ。

片山 事業としては、黒字ですか。

小西 去年は黒字でした。3年連続赤字、もしくは、一年でも債務超過になったらJ1ライセンスは剥奪となります。

片山 厳しいんですね。そのなかで、3年目の挑戦が始まりました。

小西 1年目はJ1復帰が至上命題。2年目はJ1ぎりぎり残留。ここまではプロセスで、今年は結果を求められる年です。

片山 3位以内に入るとおっしゃっています。新しい選手もどんどん加わっていますが、いかがですか。

小西 3位までに入って、ACL(アジアチャンピオンズリーグ)に出る。十分、可能性はありますね。選手層が厚くなりました。もちろん、本心は3位以内ではなくて「優勝」ですが。

片山 入場者数は、いかがですか。

小西 当初、48万何千人とかの目標が上がって来たんですよ。「まだ違うな~」と思って(笑)。トヨタさんなら切り上げすると思います。

片山 50?

小西 50ですよ、50万人です。キリが悪いじゃないですか。メンバーは、またキョトンとして、「社長がまた誤作動した」みたいな顔をしていましたけどね。あえて、1万数千人はメドなし。メドがあるほうが安心するんでしょうけど、面白くない。“メドなし”だから、燃えるし、エキサイティング。

片山 ははははは。小西さん、いつもお元気で明るいですから。このお仕事に向いているんじゃないでしょうか。

小西 かなり頻繁に現場をウロウロしていると思います。イベントには必ずいっていますし、ホームタウン活動も好きです。

片山 トヨタの現場主義だね。

小西 そうですね。

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