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バーガーキング、マックが「ギガビッグマック」等投入で“お株を奪われ”存在意義揺らぐ

文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント

日本再上陸も苦戦

 撤退から6年後の07年、「ロッテリア」を展開するロッテと、ロッテリアの再建に携わっている企業支援会社のリヴァンプが共同出資して設立したBKJが、東京・新宿にあらためてバーガーキングの1号店をオープン。バーガーキングは日本再進出を果たした。初日の開店前には約700もの人が集まったという。こうして幸先の良いスタートを切ることができたわけだが、その後は必ずしも順風満帆とはいえなかった。

 この頃は日本経済が平成不況から脱して回復の兆しが見えていた時期だった。しかし、08年のリーマン・ショックにより、再び不況に陥ってしまった。合わせて国内の外食産業も市場規模が落ち込むようになった。

 日本フードサービス協会による外食市場規模の推計値は、03年から08年までは年間24兆円台中ごろでほぼ横ばいに推移していたが、09年は23兆6599億円にまで落ち込んでしまった。11年には22兆8282億円にまで落ち込んでいる。こういった時期に再上陸したバーガーキングはタイミングが悪かったのかもしれない。

 もっとも、この時期は業界の雄、マクドナルドも苦戦を強いられていた。運営会社の日本マクドナルドホールディングスの売上高は、08年12月期(4063億円)までは増加が続いていたが、翌09年12月期は前期比10.8%減の3623億円と大きく落ち込んだ。以降、低迷が続く。さらに、14年7月に発覚した期限切れ鶏肉使用などの問題が追い打ちをかけ、マクドナルドはどん底に沈んでいった。

 バーガーキングはマクドナルドの転落を好機としたいところだったが、その好機をものにできなかった。マクドナルドは不振を受けて不採算店の閉鎖を進めたため、バーガーキングはその跡地に積極的に出店するようにした。マクドナルドは業界屈指の出店ノウハウを駆使して出店してきたため、どこも好立地ばかりだった。そのため、飲食チェーンが争ってマクドナルドの跡地に進出した。

 バーガーキングは出店以外でもマクドナルドを意識した戦略をとっている。マクドナルドの看板商品「ビッグマック」を意識したと思われる、ビーフパティ2枚を3枚のバンズで挟んだ「ビッグキング」を期間限定で販売している。キャッチコピーに「こっちの“BIG”は大きい、だけじゃない。」を採用したところが、ビッグマックを販売するマクドナルドを意識したといわれる所以だ。

 こうしてバーガーキングはマクドナルドの隙を狙って攻勢をかけたわけだが、結局は思うように事業を拡大することができなかった。

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