MMTは論理的に破綻…それを攻撃して消費増税強行に世論誘導する財務省は悪質

MMTの理論とは

 ところで、MMTは「現代貨幣理論」の英語の略語だ。このMMTは、特にアメリカや日本で注目を集めてきている。たとえばNHKの朝のニュースでも時間を割いて紹介されたし、有力な経済学者や経済評論家たちの間でもちょっとした論争が起きている。このMMTはアメリカ発の最新の経済学のファッションだ。

 中心的な主張者は、ステファニー・ケルトン米ニューヨーク州立大教授である。ケルトン教授は、最近では民主党の大統領候補として有力なバーニー・サンダース上院議員の政策顧問にも就任した。そもそもMMTが政策論争の舞台で注目を浴びたのは、民主党の若きホープであり、史上最年少の下院議員でもあるオカシオ・コルテスがMMTの考えに賛意を示したからだ。
 
 MMTは一般的にどんなことを言っているのだろうか。松尾匡の論文「反緊縮のマクロ経済政策諸理論とその総合」(2019)を参考にすれば、以下のいくつかの命題によって構成される。

(1)経済全体でみると政府の財政赤字は、同時に民間の資産増である。民間は政府の借金である国債を購入し、国債を自分たちの財産として保有している。これは政府を通じて、特に不況期には、民間の所得が増えることを意味している。反対に、不況のときに政府が財政黒字になってしまうと、それは民間の使えるお金が減ることを意味するだろう。

 つまり不況期を例にとれば、政府が借金をしてそれで民間にお金を配ることが、民間には不況対策となり、反対に政府が借金をしないと不況はさらに強まってしまう。不況期に政府が借金をすることを、「反緊縮政策」といい、逆に不況期に政府が借金をしないことを「緊縮政策」とも呼んでいる。

(2)私たちの家計や企業は、もちろん赤字を重ねていけばやがて破産のピンチに陥る。ところがMMTによれば、政府には破産はない。なぜならどんなに借金をしていても、その借金を帳消しにできる権利を持っているからだ。それを「通貨発行権」という。

 つまり政府は借金の督促に直面した場合、いざとなれば自ら紙幣を刷って返済することができる権利を独占的に有している。いわば子ども銀行と同じで、自分で紙幣を印刷してバラ撒けばいいだけだ。そのためMMTは、「政府支出に予算制約はない」「債務の不履行のリスク(=デフォルトリスク)はない」と言い切る。

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