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「相馬勝の国際情勢インテリジェンス」

中国、第2の天安門事件勃発の懸念…大学新卒者800万人超え、半分以上が就職できず

文=相馬勝/ジャーナリスト
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 これは大学卒業者数が多く、希望の職種に就くことが難しくなっているためだ。中国大学進学率は1997年が9.1%だったのに対して、2002年に15%に達し、16年には42.7%にまで増加。それに伴い新卒者数も急増し、13年には699万人、14年が727万人、15年は749万人、16年765万人、17年795万人。18年には初めて800万人突破。さらに、今年は834万人と、100万人を初めて突破した2001年と比べて、8倍以上に膨れ上がっている。

 日本は1996年に50万人を超え、そのまま50万人台で安定的に推移しているのに比べても、あまりにも急激な伸び率といわざるを得ない。

消える求人広告

 一方、卒業しても就職できなかった就職浪人は「無職で家にいる」のがほとんどで、自宅に引きこもって親のすねをかじる「啃老(こうろう)族」になるか、経済的に余裕がなく実家に帰れなければ、都会でアルバイトをしながら、地下室のような安いアパートなどで暮らす「蟻族」になるしかないようだ。

 中国では就職浪人生のほかにも、「昨年750万人もの農民工(出稼ぎ農民)が職を失い故郷に戻った」と中国政府は発表している。さらに、中国の経済ニュースサイトは「昨年だけで500万件以上の求人広告が消えた」とも報じており、これらは昨年来の米中貿易戦争の影響とみられる。

 すでに、米国政府は米国向けに輸出されている2000億ドル分の中国製品のほか、残りの3250億ドル分の中国製品にも最大で25%もの関税を上乗せることを発表しており、今後も中国では失業者が増えるのは必至だけに、中国政府に不満を持つ学生や失業者、さらに労働者らが決起して、30年前の天安門事件が再び発生する可能性も否定できなくなっている。
(文=相馬勝/ジャーナリスト)

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