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中谷明彦「クルマの匠(Professional)」

軽の日産デイズ/三菱eKクロスに驚愕、もはや普通車並み…ホンダN-BOXを脅かす

文=中谷明彦/レーシングドライバー、自動車評論家

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軽の日産デイズ/三菱eKクロスに驚愕、もはや普通車並み…ホンダN-BOXを脅かすの画像4三菱eKクロス

日産デイズ三菱eKクロス

 そんな状況のなか、平成時代最後となる今春に発表・発売され注目されているのが日産デイズ/三菱eKクロスの新型軽モデルだ。なぜこの2台を併記したかというと、この2車は実は同じ車だから、だ。正確にはアライアンス関係にある日産自動車と三菱自動車が共同出資し設立したNMKV(日産 三菱 軽 ビークル)社が企画から設計、開発までを請け負い、三菱自の水島工場で生産される。

 NMKVの設立は2011年まで遡るが、設立当時から近年までは軽自動車の開発や生産、販売で実績のある三菱自が主体的に開発を行い生産していた。しかし今回の新型モデルから日産に開発の主導権が移ったことで注目を集めることとなったわけだ。

 軽自動車を独自に開発したことがなかった日産が企画し開発するということは、ホンダがN-BOXを成功に導いたような割り切りの良さ、コストマネージメントが期待されるのだ。

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 実際、新型日産デイズ/三菱eKクロスに試乗してみて、軽自動車規格離れした装備や仕様に驚かされる。両モデルはパワートレインも車体もシャシーも共用していて、異なるのはフロントマスクのデザイン程度だが、中味の進化がすごい。エンジンはガソリンのターボとノンターボが設定されているが、どちらもマイルドHV仕様(最廉価モデルはノンHV)となっていてリチウムイオンバッテリーが搭載されている。

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 通常発電機として使用されるジェネレーターを駆動モーターとしても活用する仕組みで、最大20Nmのトルクを駆動アシストできる。アイドリングストップももちろん作動し再始動はこのモータージェネレーターで行い、その都度セルモーターが回転する音や振動から解放された。

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 リチウムイオンバッテリーは運転席下に格納されていて、これはガソリン廉価モデルでも採用されており、各部電動モーターやエアコンなど電装品への給電に役立てている。パワーステアリングも電動で直進状態がしっかり再現できるアシスト制御が施され高速直進性にも優れているのだ。

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 また、デイズには日産が得意とするアラウンドビューモニターが採用され、eKクロスにはデジタルインナーミラーが採用されるなど最先端の装備も備わる。軽自動車として初となる渋滞時停止から再発進まで前車に追従可能なオートクルーズコントロール(ACC)つき運転支援機構プロパイロット(三菱名・マイパイロット)も用意されている。

 前席左右にシートヒーターが備わり、後席の足元スペースは日産の最上級セダンであるフーガより広く荷室の使い勝手も良い。N-BOXのようなスーパーハイトワゴンではなくハイトワゴンカテゴリーに属しているため、後席ドアは普通のヒンジ式で4ドアモデルとして成り立っている。

 今回の新型をベースにスーパーハイトカテゴリーモデルも企画されているといい、N-BOX追撃の狼煙は今まさに立ち上がろうとしているのだ。
このホットな闘いを繰り広げている軽自動車。最新モデルにあなたも、ぜひ一度乗ってみてもらいたい。
(文=中谷明彦/レーシングドライバー、自動車評論家)

中谷明彦/レーシングドライバー、自動車評論家

中谷明彦/レーシングドライバー、自動車評論家

武蔵工業大学工学部機械工学科卒。15歳でカートを始め大学在学中にフォーミュラカーデビュー。卒業後はカートップ誌編集部員として働き1985年にプロ・レーサーへ転向。1988年全日本F3選手権でチャンピオンを獲得し、以降全ての全日本選手権、全ての国内サーキットで優勝を納める。三菱自動車ランサー・エボリュ−ションV〜Xの開発に寄与し、スーパー耐久レースではランエボを駆って50勝を記録。5回の年間覇者となる。バサーストやマカオGP、ル・マン24時間レースなど海外レース活動経験も豊富だ。1997年にドライビング理論アカデミー「中谷塾」を開設し、佐藤琢磨(第一期生)を輩出した。ドライビングやメカニズムの理論に精通。近年は中国メディアでも活動し、知名度が高い。2018年5月に慢性骨髄性白血病を発症したが、抗がん剤治療を受けつつ活動を継続。日本の代表的名ドライバーとして「Legend Racing Drivers Club
」のメンバーでもある。

Twitter:@nakaya_juku

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