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渡辺雄二「食にまつわるエトセトラ」

一部のガムに発がん性か…口腔がんや食道がん罹患リスク増大の恐れ

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 実はこの酢酸ビニルに発がん性があります。旧労働省は日本バイオアッセイ研究センターに酢酸ビニルの発がん性実験を委託し、同センターでは、ラットとマウスを使って、酢酸ビニルを飲水に混ぜて2年間自由に飲ませる実験を行いました。

 その結果、ラットではオスに口腔の扁平上皮がんと扁平上皮乳頭腫、メスに口腔と食道の扁平上皮がんの発生が認められました。

 また、マウスではオスとメスで口腔と前胃に扁平上皮がんと扁平上皮乳頭腫、食道と喉頭に扁平上皮がん、メスの食道に扁平上皮乳頭腫が認められました。

 つまり、酢酸ビニルは、口腔がんや食道がんなどを発生させる恐れがあるのです。

酢酸ビニル、5ppm未満であれば合法

 旧厚生省は1997年8月、「添加物たる酢酸ビニル樹脂中の酢酸ビニル単量体の分析法について」という通知を、生活衛生局・食品化学課長名で各都道府県や政令指定都市などに出しました。

 これは、酢酸ビニル樹脂中の酢酸ビニルの測定法を示したものですが、この通知の中で、「当該分析法により検出限界である5マイクログラム/グラム試料以上の酢酸ビニル単量体が検出された場合は、食品衛生法第四条に違反するものとして取り扱って差し支えない」としました。

「酢酸ビニル単量体」とは、酢酸ビニルのことです。すなわち、添加物として使われている酢酸ビニル樹脂中に酢酸ビニルが5マイクログラム/グラム(5ppm)以上残留していた場合、それは食品衛生法に違反しているということなのです。

 そうした酢酸ビニル樹脂をガムベースに使っているガムは違反品であり、販売できないのです。しかし、逆にいうと、酢酸ビニルが5ppm未満であれば、食品衛生法に違反しないということにもなります。

 ですから、含まれる酢酸ビニルが5ppm未満である酢酸ビニル樹脂は、ガムベースとして使えます。したがって、発がん性のある酢酸ビニルを含む酢酸ビニル樹脂が市販のガムに使われている可能性があるのです。

 つまり、市販のガムを噛んでいると、ガムベースとして使われている酢酸ビニル樹脂から酢酸ビニルが溶けだして、舌や歯茎などの口腔、食道、喉頭などに作用し、それらの細胞をがん化させる可能性があるということです。

 ガムは、どうしても食べなければならないというものではありません。できるだけ食べないようにしたほうが賢明といえるでしょう。
(文=渡辺雄二/科学ジャーナリスト)

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