ビジネスジャーナル > ライフニュース > 子宮頸がん、20~40代女性の患者増加  > 3ページ目
NEW

子宮頸がん、20~40代女性の患者増加…ワクチン接種率は1%未満、性交渉前の接種が有効

構成=編集部
【この記事のキーワード】, , ,

「子宮頸がんは予防できる」を伝えるために

――予防医療普及協会では、どのような活動をしているのでしょうか。

三輪 予防医療普及協会は堀江さんや医師らが中心となって16年に設立され、これまでに胃がんの原因となるピロリ菌の啓発活動などをしてきました。子宮頸がんでは、クラウドファンディングでHPV感染の有無を調べる検査キットを配布するなどしたほか、「Change.org」という署名活動サイトで活動を行っています。厚生労働大臣と予防接種を担当する各自治体首長に「対象者は無料接種できるという情報を届けてほしい」「中学生の副読本にHPV関連疾患、ワクチンについて記載してほしい」と訴えるための署名活動【※1】で、もうすぐ1万人の賛同が集まりますので、ぜひご協力いただきたいです。

 そのほかに、美容師の団体に、髪を切っている間にお客さんにご紹介していただけないかと相談することもあります。若い女性に伝えるというのはすごく大事なんですが、医療関係からだけのアプローチだと、なかなか届かない。若い人はあまり病院に来ないですからね。

稲葉 すべてのがんが予防できるわけではないですが、実は子宮頸がんは予防できるんだよ、ということを知ってほしいです。子宮頸がんの患者さんを見るたびに、この人はならずに済んだかもしれないのにと思うと、産婦人科医としてはいつも心苦しさを感じています。

――男性の方々にメッセージがあればお願いします。

稲葉 HPVに感染する女性が、いわゆるセクシュアルアクティビティーが高いという思い込みを払拭しないと、患者さんたちは声を上げづらいです。1人としか性交渉をしたことがなくても、子宮頸がんにはなり得る話ということを理解してほしいです。そして、HPVは性的接触により男女間で移し合っていますし、男性がかかる病気の原因ともなりますので、男性も他人事ではないと知ってもらいたいです。

 また、読者の中に娘さんがいる方もいると思いますが、予防接種については母親が管理している家庭が多いと思います。エビデンスに基づいた合理的思考が得意な男性も多いと思うので、ぜひご家庭で「子宮頸がんはワクチンで予防できるらしいぞ」と話題にしてもらいたいと思います。
(構成=編集部)

【※1】
『子宮頸がんは予防できる』という情報が届けられていない日本の女性を救いたい!」(Change.org)

子宮頸がん、20~40代女性の患者増加…ワクチン接種率は1%未満、性交渉前の接種が有効のページです。ビジネスジャーナルは、ライフ、, , , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!