渡辺陽一郎「いちばん詳しい『人気の新車』完全ガイドシリーズ」

日産デイズ&三菱eKシリーズがスズキ・ワゴンRに“劣る点”とは

日産の「デイズ」(「日産:デイズ [ DAYZ ] 軽自動車 TOP」より)

どんなクルマなのか?

 日産自動車「デイズ」&三菱自動車「eK」シリーズは、日産と三菱が共同で開発した軽自動車です。両車とも基本部分を共通化した姉妹車になります。全高が1600~1700mmに収まるため、ライバル車はスズキ「ワゴンR」やダイハツ工業「ムーヴ」です。

 現行型は2019年3月に登場したので、軽自動車の中でも設計が新しいです。特に緊急自動ブレーキを作動できる安全装備と運転支援機能が先進的で、注目を集めています。

人気を得ている理由

 今は軽自動車の人気が高く、新車として売られるクルマの40%近くを占めます。この中でも、全高が1600mmを超える背の高い車種が軽乗用車全体の約80%に達します。従って、デイズ&eKシリーズは売れ筋カテゴリーに属するわけです。

 三菱ブランドの「eKクロス」は、フロントマスクをSUV風に仕上げ、三菱の「デリカD:5」や「エクリプスクロス」に似たデザインにしました。デイズとは違う、SUVの三菱らしい特徴を持たせています。

気になる8つのポイントチェック&星取り採点

(1)居住空間の広さとシートの座り心地

★★★☆☆

 車内は広く、前後席ともに頭上と足元には十分な空間があります。座り心地は前席は快適ですが、後席は悪いです。

(2)荷物の積みやすさとシートアレンジ

★★★☆☆

 荷室は広いですが、後席の前後スライドは左右一体式で独立していません。シートアレンジが不満です。

(3)視界や小回り性能など運転のしやすさ

★★★★☆

 ななめ後方の視界は今一歩ですが、前方は見やすいです。最小回転半径も4.5mに収まり、運転しやすいです。

(4)加速力やカーブを曲がるときの安定性

★★★☆☆

 ノーマルエンジンも実用回転域の駆動力に余裕があり、加速力に不満はないです。背が高いわりに安定しています。

(5)乗り心地と内装の質感などの快適性

★★★★☆

 乗り心地は低速域では硬めですが、軽自動車では優れた部類に入ります。内装の質も小型車と同等に高いです。

(6)燃費性能とエコカー減税

★★★★☆

 デイズ・ハイウェイスターXプロパイロットエディションのJC08モード燃費は28.6km/Lで、エコカー減税車です。

(7)安全装備の充実度

★★★★★

 歩行者も検知できる緊急自動ブレーキと、車間距離を自動制御できるクルーズコントロールなどが備わります。

(8)価格の割安感

★★★★☆

 車間距離を自動制御できるクルーズコントロール、マイルドハイブリッドなどを備えるわりに価格は安いです。

選ぶときに確かめたい3つのメリット

・運転支援機能のプロパイロットにより、軽自動車でも長距離移動が快適です。

・内装が上質で、オプションによりインパネにステッチ(縫い目)も入ります。

・ノーマルエンジンは実用域の駆動力が高く、回転感覚もなめらかで静かです。

後悔しないための3つの要チェックポイント

・後席は座面が短く、柔軟性も乏しいです。足を投げ出す座り方も不満です。

・後席はアレンジが単純で、背もたれを倒しても広げた荷室に段差ができます。

・乗り心地が硬めに感じます。ターボエンジンは回転感覚が粗い印象です。

こんなユーザーにおすすめ

 背の高い軽自動車なので後席にも十分なスペースがありますが、前席と違って座り心地が悪いです。大人4名で乗車するなら居住性を確認しましょう。ただし、後席にチャイルドシートを装着するなら座り心地が悪くても問題ありません。

 前席は快適でノイズも抑えられ、プロパイロットを選べば全車速追従型クルーズコントロールも備わります。運転感覚が総じて上質になるため、快適な軽自動車を求めるユーザーに適しています。

渡辺陽一郎/カーライフ・ジャーナリスト

1961年生まれ。神奈川大学卒業。1985年に自動車雑誌を中心に扱うアポロ出版株式会社に入社。その後、同社で複数の自動車雑誌やアウトドア雑誌を手掛け、1989年に自動車購入ガイド誌「月刊くるま選び」の編集長に。1997年にはアポロ出版株式会社の取締役も兼任。2001年6月に40歳を迎え、同月に「カーライフジャーナリスト」の肩書でフリーランスに転向。

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