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木下隆之「クルマ激辛定食」

最近、クルマのタイヤの“ある変化”に気づいてますか?

文=木下隆之/レーシングドライバー
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 写真をご覧いただきたい。ミシュランの誇るスポーツブランド「パイロットスポーツ」を撮影したものだ。ベースに微細な打点を残すことで、「MICHELIN」のロゴが浮き立つ。光の力を巧みに利用している。頭にはミシュランのマスコット「ビバンダム」が微笑む。「PILOT SPORT」ロゴへと流れたあと、チェッカーフラッグで結んでいる。光の入射角と反射角の変化によって表情を変えるところが愛らしい。

「タイヤだって目立ちたいんです」

 ミシュランのタイヤ開発担当者は、こう言って笑った。平たく言えばそのとおりなのだろうが、本当の狙いはブランドの訴求である。

「弊社の製品には自信を持っていますが、ヘビーユーザー以外にはなかなか理解してもらえないという悩みを抱えているのです。タイヤなんでどれも同じだろうと思われるのが寂しいのです」(前出・ミシュランのタイヤ開発担当者)

 サイドウォールのロゴ展開は、おそらく最近増殖中の、後進メーカーとの差別化が狙いだと想像する。台頭著しいのは、韓国製タイヤだ。それ以外にも中国、台湾、インドネシア、マレーシア等、いわゆる“アジアンタイヤ”を見かけることも少なくない。これらは、性能的には圧倒的に劣るにもかかわらず、安さだけを武器にシェアを伸ばしているのである。

 大手タイヤメーカーに対してヘッドハンティングも盛んに行っている。それにより、性能差も接近しつつある。ブリヂストンやミシュラン、ピレリ、横浜ゴムといった歴史と技術力のあるメーカーも、安心していられないのである。ブランド訴求を急ぐのは、そんな理由もあるのだろう。

 タイヤは確かに「黒くて丸いゴムの塊」にすぎない。だが、性能は大きく違うことを声高に叫んでいるように思えた。
(文=木下隆之/レーシングドライバー)

木下隆之/レーシングドライバー

木下隆之/レーシングドライバー

プロレーシングドライバー、レーシングチームプリンシパル、クリエイティブディレクター、文筆業、自動車評論家、日本カーオブザイヤー選考委員、日本ボートオブザイヤー選考委員、日本自動車ジャーナリスト協会会員 「木下隆之のクルマ三昧」「木下隆之の試乗スケッチ」(いずれも産経新聞社)、「木下隆之のクルマ・スキ・トモニ」(TOYOTA GAZOO RACING)、「木下隆之のR’s百景」「木下隆之のハビタブルゾーン」(いずれも交通タイムス社)、「木下隆之の人生いつでもREDZONE」(ネコ・パブリッシング)など連載を多数抱える。

Instagram:@kinoshita_takayuki_

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