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JR九州、悲願の上場直後に外資系ファンドが株買占め…株主利益と赤字路線維持の両立困難

文=編集部
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「物言う株主」の初洗礼を浴びたJR九州

 九州旅客鉄道(JR九州)は、「物言う株主」の攻勢にさらされている。

 JR九州は2016年10月に悲願の株式上場を果たし、完全民営化した。経営に対する国の関与がなくなり、さっそく物言う株主の洗礼を浴びた。

 米ファンドのファーツリー・パートナーズは昨年末、JR九州株を5.1%まで買い増したことを公表。さらに3月に持ち株比率を6.1%に引き上げた。6月の定時株主総会に向け、6つの株価向上策を提案した。

 株主提案のひとつが、発行済み株式の10%、総額720億円を上限とする自社株買いだ。JR九州は、熊本駅や宮崎駅の再開発などの投資を念頭に「大規模の自社株買いより、成長投資を優先したい」と反対している。

 JR九州は、民間企業になったとはいえ、株主の利益だけを追求しにくい事情がある。公共交通を運営する社会的責任から解き放たれたわけではないからだ。上場時、青柳俊彦社長は「上場したからといって、(赤字路線を)廃止することは一切ない」と明言した。過疎地域を走る赤字路線を、おいそれと廃止するわけにはいかないのだ。

 悲願の上場を果たし、投資家の期待に応える責任は増した。株主の利益と赤字路線を維持する公共交通の使命を両立させるという難問に直面する。投資家が納得できるような鉄道事業の収支改善策を打ち出せるか。物言う株主が突き付けた、最初で大きな試練だ。

物言う株主の株主提案一覧

 凸版印刷は、子会社の図書印刷を8月1日付で完全子会社とする。旧村上ファンド出身の物言う株主、ストラテジックキャピタルは図書印刷の6月の株主総会に向けて4年連続で株主提案を行っており、凸版印刷との親子上場を問題視してきた。昨年6月、企業統治の指針である「コーポレートガバナンス・コード」が改訂されたことを受け、政策保有株の売却を求めていた。

 ストラテジックは今年、図書印刷のほか、淺沼組、世紀東急工業、極東貿易の4社に対して株主提案を行った。

BusinessJournal編集部

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