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スーツ業界、業績壊滅的…ユニクロは「1万円以下」軽量スーツ投入、着る習慣が減退

文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント
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 厳しい状況が続くスーツ市場だが、例外的にオーダースーツ市場は伸びている。百貨店の高島屋は17年10月からオーダースーツの新たな売り場「タカシマヤ スタイルオーダー サロン」を始めた。アパレル大手のオンワードホールディングスは17年10月からオーダースーツ店「カシヤマ ザ・スマートテーラー」を展開している。商社大手の伊藤忠商事は17年12月に全国のテーラーと提携した高級オーダーメードスーツ事業に参入した。さまざまな業界の企業が参入し、垣根を越えた競争が繰り広げられている。

青山とAOKI

 青山商事は16年2月から始めたオーダースーツ店「ユニバーサル ランゲージ メジャーズ」で対抗する。19年3月末時点で3店舗を展開するが、業績は好調だという。今期は3店舗出店し、計6店舗にまで広げる計画だ。

 青山商事はスーツ以外の事業の育成も急ぐ。100円ショップ「ダイソー&アオヤマ 100YEN PLAZA」や中古品店「セカンドストリート」、焼肉店「焼肉きんぐ」、カジュアル衣料品店「アメリカンイーグルアウトフィッターズ」、ジーンズ販売店「リーバイスストア」、靴修理店「ミスターミニット」などを運営する。店舗運営以外では、カード事業や印刷・メディア事業が育ってきている。同社はスーツなどビジネスウェア事業以外の売上高の割合を、28年3月期に現在の約1.5倍となる40%にまで高めたい考えだ。

 青山商事以外の3社も18年度は苦戦した。

 AOKIホールディングスの19年3月期の連結決算は、売上高が前期比2.3%減の1939億円、営業利益は10.0%減の133億円。純利益は37.6%減の46億円だった。16年から試験的に始めたオーダースーツは好調だが、通常のスーツは青山商事同様に苦戦した。19年3月期のスーツの販売数は前期比3.8%減の124.7万着、販売単価は2.3%減の2万5500円だった。

 主力の紳士服専門店「AOKI」の期末時点の店舗数が減少に転じたことも印象的だ。それまでは増加が続いていたが、19年3月期末は1年前と比べて8店少ない566店となった。今期は不採算店の大量閉鎖を実施し、40店少ない526店にまで減る見通しだ。

 スーツなどのファッション以外の事業も、一部を除き不調だったのが気がかりだ。複合カフェ「快活クラブ」事業が好調だったものの、結婚式場事業とカラオケボックス「コート・ダジュール」事業の売上高は前期実績を下回った。

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