三井金属、屈辱的な“過激な株主提案”受ける…全取締役の退陣、告発窓口の設置


 加藤氏は会社側を相手取り、決議の不存在確認を求める訴訟を起こした。加藤氏側の代理人は、西村あさひ法律事務所の園尾隆司弁護士。園尾氏は東京地裁で民事再生事件を扱う「破産再生部」の初代部長を務めた人物だ。

 会社側の代理人トップは、株主総会対策や危機管理で数々の実績を誇る日比谷パーク法律事務所の久保利英明弁護士。双方とも大物弁護士を起用した。

 19年3月8日、決議の不存在を求めた訴訟の判決が東京地裁であった。「決議は不存在とはいえない」とする一方、社外取締役3名の選任決議は取り消し、判決は「痛み分け」となった。原告の加藤氏、被告の会社側とも控訴した。

 今年の株主総会には、昨年出席しなかった株主が多数出席するとみられている。彼らがどのような判断をするかが注目される。

JPHD、創業者の帰り咲きなるか

 保育所大手のJPホールディングス(HD)は、6月27日に定時株主総会を開く。創業者で元社長の山口洋氏の取締役選任を求める株主提案が出されている。提案者は非公表で、個人株主だという。

 会社側は古川浩一郎社長を含む現在の7名の取締役選任を提案。対する株主提案は会社提案と同じ7名プラス山口氏の選任を求めている。

 JPHDは17年6月の定時株主総会を境に、山口氏など創業者と前経営陣の対立が明らかになり、1年にわたって経営が混乱した。

 昨年の株主総会を経て新たなに社長に就任した古川氏は、創業者側との融和策を採る。18年6月の総会では、会社提案の社外取締役と監査役が否決されたからだ。

 そのため、18年10月に開いた臨時株主総会で、山口氏と株式の共同保有者として名を連ねている人物を社外取締役と監査役に選任した。そして今回、山口氏の取締役復帰(社外取締役→社内取締役)を求める株主提案が出された。

 創業家絡みの株主提案は、ほかに2件ある。

 穴あきPC板製造のスパンクリートコーポレーション(株主総会開催日は6月19日)は、創業家出身で大株主の村山典子氏が取締役3名および監査役1名の選任を求めている。

 住宅関連の山大(同6月27日)は、株主の松澤孝一氏から、創業一族の高橋貞夫代表取締役会長の解任を求める株主提案が出されている。85歳という高齢であることが理由だ。

BusinessJournal編集部

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