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木下隆之「クルマ激辛定食」

ボルボ、「つくれば売れる」入れ食い状態…さらにディーゼルターボのSUV投入

文=木下隆之/レーシングドライバー
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ボルボ、「つくれば売れる」入れ食い状態…さらにディーゼルターボのSUV投入の画像5

 ただし、欠点もある。ガソリンが燃えて吐き出される排気圧を利用してタービンを回転させ、その回転力によってあらためてパワーを絞り出すというプロセスが必要なために、エンジンレスポンスに遅れが生じる。アクセルペダルを踏み込んでから本格的なパワーゾーンに突入するまでに、1サイクル巡る「間」が介在してしまうのだ。それを補うのが「パワーパルス」である。

 排気圧を利用して圧縮したエアをあらかじめ別のタンクに充填しておき、加速したい瞬間に、タイミング良くエアをターボチャージャーに当てる。これによって、1サイクル巡る「間」を待つ必要がなくなる。つまり、ターボチャージャーの欠点を補うシステムなのである。

 パワーパルス作動の条件は、以下のように設定されている。「アクセル開度36%、アクセルの踏み込みの速さが100%/sec、ギアは1速か2速時のみ、エンジン回転は2000rpm以下」。つまり、低速走行中の比較的強い加速時にパワーパルスが作動する。信号が青に変わり慌てて発進という時や、トロトロ流れるような緩い渋滞時に突然前が開けたといった場面で、軽快なレスポンスが得られるというわけだ。

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 そのため、普通に走行している限り、パワーパルスのありがたみを実感することはなかった。あえて急発進した時に、その恩恵にあずかれたくらいだ。ディーゼルターボは低回転トルクに優れているとはいうものの、XC90の車重は決して軽くはない。それゆえ、発進にもたつくことも少なくない。パワーパルスは、まさにXC90の走りに磨きをかけるための武器だと思えた。

 販売好調のボルボが、19年のさらなる販売増を計画している。その一部を、パワーパルスを搭載したXC90が担うことは間違いない。
(文=木下隆之/レーシングドライバー)

●木下隆之
プロレーシングドライバー、レーシングチームプリンシパル、クリエイティブディレクター、文筆業、自動車評論家、日本カーオブザイヤー選考委員、日本ボートオブザイヤー選考委員、日本自動車ジャーナリスト協会会員
「木下隆之のクルマ三昧」「木下隆之の試乗スケッチ」(いずれも産経新聞社)、「木下隆之のクルマ・スキ・トモニ」(TOYOTA GAZOO RACING)、「木下隆之のR’s百景」「木下隆之のハビタブルゾーン」(いずれも交通タイムス社)、「木下隆之の人生いつでもREDZONE」(ネコ・パブリッシング)など連載を多数抱える。

ニュースサイトで読む: https://biz-journal.jp/2019/06/post_28078_2.html
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