松崎のり子「誰が貯めに金は成る」

話題の300円ショップを徹底的に使いこなす方法…メルカリがライバルに?

3COINS」より

 このところ、300円ショップが注目されているという。取り上げる記事や番組をよく見るようになった。筆者自身も利用しているし、コメントを求められたこともある。内容を見ると、たいてい100円ショップと同じカテゴリーで扱われていることが多いが、それはまったく違う。まず、その差について、均一ショップファンの目線から考察してみたい。

 100円ショップにはよく足を運ぶが300円ショップはピンと来ないという声は、特に男性から上がるのではないだろうか。代表的なショップといえば、「3COINS(スリーコインズ)」「CouCou(クゥクゥ)」「ミカヅキモモコ」あたりになるだろうが、駅ナカにショップがある3COINSくらいしか見たことがないという人は多いだろう。

 両者の間には明確な差がある。100円ショップで扱う商品は、台所用品やゴミ袋などの日用品、文房具類、工具やDIY用品、電池やスマホグッズ、そして食品類など、実に幅広い。いわば、他店でも扱っている商品を100円で売るのが身上なのだ。100円ショップに消費者が求めるものは、第一に「安さ」であり、買い物に行く動機は「他店で買うより節約になるから」だ。

 つまり、ざっくりいうなら100円ショップは「ディスカウントショップ」のカテゴリーに入る。昭和から平成に変わる頃にはアーケード街に地場のディスカウントショップがあったものだが、最近はその役割が100円ショップに取って代わられた。安くて品ぞろえが豊富で、ユニークなアイデア商品も扱う現代のよろずやという立ち位置におり、個人商店が閉まっていくなかで100円ショップの重要度は増すばかりだろう。

 しかし、300円ショップの目指すところはそうではない。100円ショップのように生活必需品ばかりを扱っているわけでもない。よく言われるような「100円ショップの商品よりはちょっといいものを買いたい」消費者に向けた業態、というのともちょっと違うのだ。

300円ショップと100円ショップの決定的な違い

 それは、300円ショップが扱う商品を見れば一目瞭然だ。収納グッズやインテリア小物、バッグやポーチ、そしてソックスやアクセサリー類。100円ショップの収納グッズといえばプラスチック製のカゴが定番だが、300円ショップのそれは布張りだったり木製だったり、デザイン性に重きを置いている。色使いも違う。3COINSはまだナチュラル・ベーシックな色使いが多いが、ミカヅキモモコの店頭はピンクやパープルなどポップなカラーであふれている。ビジネスパーソンは近づきがたいオーラが全開だ。

 つまり、300円ショップとは「プチプラ雑貨ショップ」なのだ。生活必需品を買いに行くところではなく、あってもなくてもいいもの、だけれども暮らしが華やぐようなものを買いに行く場所というべきだろう。その意味では、節約の役に立つかといえば、そうは言い切れない。

 また、100円ショップチェーン以上に、それぞれの世界観が異なっている。筆者の独断だが、オトナ世代が入りやすい順で言えば、3COINS>CouCou>ミカヅキモモコとなるだろう。インテリアグッズが豊富な3COINSやCouCouに対し、ミカヅキモモコはこの3ショップのなかでもキャラクターグッズやぬいぐるみが目立つ。学生がお小遣いでかわいい小物を買いたいときに重宝する存在だ。ビジネスパーソンがこの店を利用するとすれば、子どもに雑貨をねだられたときくらいではないだろうか。

松崎のり子/消費経済ジャーナリスト

消費経済ジャーナリスト。生活情報誌等の雑誌編集者として20年以上、マネー記事を担当。「貯め上手な人」「貯められない人」の家計とライフスタイルを取材・分析した経験から、貯蓄成功のポイントは貯め方よりお金の使い方にあるとの視点で、貯蓄・節約アドバイスを行う。また、節約愛好家「激★やす子」のペンネームでも活躍中。著書に『お金の常識が変わる 貯まる技術』(総合法令出版)。
Facebookページ「消費経済リサーチルーム

Twitter:@geki_yasuko

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