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『いだてん』次回も「神回」の予感漂う…五りん(神木隆之介)の出自に視聴者驚愕

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 中村勘九郎が主演を務めるNHK大河ドラマ『いだてん』の第23話が16日に放送され、平均視聴率は大河ドラマ最低視聴率を記録した前回から0.2ポイント増の6.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことがわかった。視聴率は伸びていないが、若い女性たちがスポーツの魅力に目覚め、旧態依然とした男性中心の社会に大きな波紋を呼び起こす痛快なストーリーを繰り広げた前回に続いて「神回」「とんでもないものを見た」と、視聴者から絶賛が相次いでいる。

 第23話は、前半で女学生たちの“反乱”を円満に解決。後半で関東大震災を描いた。震災が起こった大正12年9月1日。金栗四三(中村)は嘉納治五郎(役所広司)に連れられ、明治神宮外苑で建設中の競技場を見学していた。同じ頃、金栗の同僚でもある女学校の教師・増野シマ(杉咲花)は演劇を観るために浅草へ出かけていた。一方、この物語のストーリーテラーでもある美濃部孝蔵(森山未來)はニート同然の生活を続け、妻のおりん(夏帆)をあきれさせていた。そんな人々の平穏な日常生活を突然、地震が襲う。

 地震が起きてからの息をもつかせぬ展開は、圧巻の一言。大いに揺れたとはいえ地震の被害そのものは大したことなく、人々もいったんは安堵する。だが、その後に東京を焼き尽くす火事が起こり、人々を絶望に突き落とす。東京じゅうが真っ赤に燃え上がる映像は、その絶望を視聴者に一瞬で余すところなく伝えた。

 がれきのなかに座った孝蔵が淡々と、いやむしろ軽妙に惨状を語る演出も絶賛を集めた。周囲のがれきには孝蔵の心象風景がプロジェクションマッピングで映し出され、さながら舞台演劇を見ているかのような迫力とすごみがある。SNSでは「がれきの中での孝蔵の落語、すさまじかった」「感情無しで震災を語る孝蔵が、この世のものとは思えず怖かった」「孝蔵に狂気を感じたが、そうすることで自分を保っていたのだろうか」「息を飲んでずっと画面を見つめるしかなかった」といった声が上がった。

 火事が収まってからは、がれきの山と化した東京の街で身内を探す人々、奇跡を信じて貼り紙をする人、疲れ切ってただ座り込む人など、生き残った人々をリアルに描いた。建物が倒壊する場面や押しつぶされる人、逃げ惑う人々などを描いたわけではないのに、地震のもたらす悲しみがズンと胸に迫る。熊本弁を話す金栗が自警団から「日本人じゃないな」と疑われるシーンがあったのも、“攻めた”もしくは“逃げない”脚本だったといえる。

 ひときわ視聴者の涙を誘ったのは、シマの夫・増野(柄本佑)が、地震の朝に初めて妻に「ごはんが固い」と文句を言ったことを悔いて泣き崩れる場面。災害や事故で突然家族を亡くした人が、最後の朝に言い争ってしまったことをとても悔いている――という話は、何度か見聞きしたことがある。増野の心中を察すると、あまりにも切ない。だが、これを聞いた金栗は「言いたいことを言い合えるのが夫婦なのだから、増野さんは何も悪くない」という趣旨のことを言って彼を励ます。もちろん、そんなことを言われたところで慰めにはならないだろう。でも、金栗は言わずにはいられなかった。悲しさがますます胸に迫る。

 そんな2人のもとを通りかかった車夫の清さん(峯田和伸)は、金栗との再会を抱き合って喜び、店も家も焼けたが死なずに済んだ、と前向きに話す。ひとしきり喜びを爆発させてから、悲しみにくれる増野にも「悪いな」と気遣いを示し、「喜びは喜びで思い切り声に出さねえと、明るいニュースが少ねえからよ」と声を掛ける。これも考えさせる台詞だ。死者をいたんだり被災者を思いやったりすることと、自分や身内の無事を喜ぶこととは何も矛盾していないことを教えてくれる。大災害の後の過剰な自粛ムードや、SNSで発生する「不謹慎バッシング」に一石を投じたといえよう。

 エンディングでは、昭和30年代のパートに登場している古今亭志ん生(ビートたけし)の弟子・五りん(神木隆之介)の出自が1枚の写真から明らかになるサプライズもあり、視聴者を驚愕させた。

 五りんについては、金栗となんらかのゆかりがあることだけはこれまで明らかになっていたものの、これまでのストーリーのなかでは金栗自身やその周囲の人々とのつながりがまったく見えてこず、その出自についてさまざまな推測がなされてきた。だが今回のラストで、震災で被災したシマが五りんの祖母であったことが判明。視聴者からは「誰かとつながってるんだろうな、と思ってたけど、そこだったか!」「並走してきた大正と昭和30年をここで五りんがつなぐ構成が素晴らしい」「終始軽い存在であった五りんに、ここに来て重い役割を与えるとは」「半年かけて第1話につながる伏線回収に鳥肌」と絶賛する声が上がった。

 とはいえ、日本人初のオリンピック選手である金栗四三の物語を描く第一部は最終盤まで進んでおり、率直に言って「神回」との評判を聞いて、今さら見始めたところでついていける段階ではない。だが、第一部の最終盤がおもしろかったと評判を呼べば、第2部のスタートからまた新たな気持ちで視聴を再開しようと考える人もいるかもしれない。そして、筆者は「どうやらそうなりそうだ」との確信を抱いている。震災からの復興を描く内容で第1部のクライマックスを迎える次回・第24話も、それにふさわしい“神回”になることは間違いないだろう。
(文=吉川織部/ドラマウォッチャー)

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