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餃子の王将、客数減地獄→突然V字回復のワケ…「王将大学」設立が抜群の効果発揮

文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント
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 人材教育の面でいえば、17年7月の組織変更で新設した「王将大学」も見逃せない。店舗のマネジメント力を向上させるための研修を実施する機関で、それまで外部に委託していたのを内製化したのだ。王将大学に店長を招集し、店舗経営に必要なスキルの習得を図っている。

 こういった従業員教育は、店舗の「QSC」を大きく左右する。QSCとは、飲食店の運営において重要とされる「品質」「サービス」「清潔さ」のこと。これが徹底できないと集客は実現できない。

 王将は近年QSCを重視し、改善を図ってきた。その実現を後押ししたのが王将調理道場と王将大学だ。王将調理道場はQSCの品質に影響を与え、王将大学は3つすべてに影響を与える。王将によると、こういった施策によりQSCが高まり、それが顧客に評価され、リピート客が増えたという。

 王将調理道場と王将大学は生産性の向上にも貢献している。調理方法を見直して無駄をなくしたほか、王将大学の指導に基づいたシフト管理を徹底したことで店舗運営の効率化が実現したという。こうしたことが功を奏し、先述の通り、19年3月期の売上原価率と販管費比率を前期から改善させることに成功した。

 生産性の向上は集客にもつながっている。生産性の向上により価格を据え置くことができたためだ。近年は原材料費や人件費といったコストの上昇で値上げに踏み切る飲食店が少なくない。中華料理業界では近年、「日高屋」「リンガーハット」が値上げを実施している。このように競合で値上げに踏み切るところが続出しているため、王将の価格競争力が相対的に高まっている側面もある。

 19年3月期はこうしたことに加え、創業50周年を記念したメニューやキャンペーンが寄与した。記念メニューは、18年12月まで毎月販売していた。この記念メニューとキャンペーンは好評だったという。

 これらの施策が奏功し、王将は客足が回復した。この勢いを借りて、20年3月期も増収増益を見込む。売上高は前期比4.0%増の849億円、営業利益は3.0%増の71億円と予測している。はたして増収増益を達成できるのか、そして客足の回復は本物なのか。今後を注視したい。
(文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント)

●佐藤昌司 店舗経営コンサルタント。立教大学社会学部卒。12年間大手アパレル会社に従事。現在は株式会社クリエイションコンサルティング代表取締役社長。企業研修講師。セミナー講師。店舗型ビジネスの専門家。集客・売上拡大・人材育成のコンサルティング業務を提供。

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