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ポスト五輪の東京~2020年以降も勝つまち、負けるまち~ポスト五輪を待ち受ける23区の勝ち目、弱り目

東京・下町、人口流入&地価上昇が鮮明…都心へのアクセスと生活のコスパに優れる“一挙両得”

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荒川区の日暮里駅(「Wikipedia」より/Stalemate)

 東京下町とはどこか? 答えは単純そうで、実はなかなか難しい。

 江戸時代の下町の代表は神田(千代田区北東部)、日本橋(中央区北部)。現在の東京と比べると江戸は小さなまちで、下町の範囲も狭かった。「根岸の里のわび住まい」の言葉があるように、台東区でも賑やかだったのは南側だけ。しかし、将軍様のおひざ元を支えているという誇りは高かった。「元祖下町」といえようか。

 明治、大正、昭和と時代が進むにつれて、下町は墨田川沿いに広がっていく。台東区、墨田区、荒川区、江東区、北区の南東部。住宅、商店、工場などが混在するなかで、地域の強いつながりに包まれて暮らす庶民のまち。私たちが思い浮かべる下町イメージがまさに実生活として体現された、いうならば「本家下町」である。実は、下町イメージが息づくまちは多くの区に存在する。なかでも品川区は、こうした下町的エリアが大きく広がり、「分家下町」の様相が濃い。

 そして現在、私たちは東京の東部一帯を下町と呼ぶようになった。あえて代表を挙げるとするなら、葛飾区や足立区といった荒川の東側か。戦後の高度経済成長期以降の「新興下町」が今やもっとも下町らしいのは、下町的生活の実態がここにもっとも強く残されているからだろう。

下町人口増加中

 今や広い範囲に広がる東京の下町のうち、本稿で対象とするのは「本家下町」。必要に応じて「分家筆頭」の品川区にも触れることにする。

 下町地区は、かつて東京でもっとも繁華なまちだった。1935(昭和10)年の『国勢調査』をひもとくと、東京23区(当時は35区で、これを現在の23区に再集計した値)のなかで、もっとも人口が多かったのは墨田区の46万5000人。2位が台東区の46万4000人。

 人口密度を見ると、当時の下町の繁華さがもっとよくわかる。いずれも1935年値で、1平方キロメートルあたり台東区が4万7500人、墨田区が4万0800人、荒川区が3万5800人。旧35区ベースで追記すると、滝野川区(北区南東部)が2万3600人。深川区(江東区北西部)が2万3400人(面積は1933年の東京市測量値による)。ちなみに、2015年の『国勢調査』による人口密度が23区で一番高いのは豊島区の2万2400人だ。

 しかし、その後の世の流れは下町にとって逆風となる。閑静さに欠けるゴミゴミしたまち並み。プライバシーの領域にまで土足で踏み込んでくるような濃密すぎる人間関係。人に自慢できるようなおしゃれさに欠ける下町の人気は急落していった。

 そんな下町地区が今、新たな注目を集めている。図表1からは、下町エリアの多くの区で人口増加率の23区内ランキングが上昇傾向にあることがわかるだろう。

 詳しく見ると、江東区はランキングが低下傾向を示し、人口増加の勢いが弱まるトレンドが感じられる。また、荒川区は2015年以降、人口の伸び悩みが生じている。しかし、これら両区の動きも「近年、下町地区で人口が増えている」という大きな流れを否定するものではない。

 江東区の人口増加率ランキングが下がったのは、豊洲、東雲、有明などウォーターフロント部での人口増がかつてと比べ落ち着きを示すようになってきたためだし、荒川区は同区の人口増加傾向をリードしていた南千住地区の再開発が一段落したからだ。後述するように、江東区でも荒川区でも、下町としての特徴を強く持った地区の人口はやはり増えている。

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