ポスト五輪の東京~2020年以降も勝つまち、負けるまち~ポスト五輪を待ち受ける23区の勝ち目、弱り目

東京・下町、人口流入&地価上昇が鮮明…都心へのアクセスと生活のコスパに優れる“一挙両得”

なぜ今、「下町ライフ」が人気なのか

 なぜ、下町で人口が増えているのか。『23区大逆転』(NHK出版新書)のなかで、筆者は「都心居住の本質回帰による下町ライフの再発見」という仮説を提示した。通勤時間を短縮し、自分や家族のために生活時間を有効に使うという「都心ライフ」を実現できるのは、経済的にゆとりがある一部の人たちだけ。だが、都心に住むというステータス部分を捨てて本質だけを考えると、下町は都心へのアクセスが至便で、かつ生活のコストパフォーマンスに優れる「一挙両得」がある。ここに人々が気づき始めたのではないかというのが、この仮説のポイント。

 その傍証として、2015年の『国勢調査』に基づき、蔵前、浅草橋、御徒町など台東区の南部、門前仲町、東陽町、清澄白河、森下、住吉など江東区の北西部、五反田、大崎、京浜急行線沿線など品川区の北部といった都心から一枚外側の場所で人口が増えていることを指摘した。

 あらためて直近データに照らしてみると、上記条件を備えた地区は依然として高い人口増加率を維持し続けている(図表2参照)。

 加えて、図表2からは、その発展形とでも呼ぶべき動きが生まれていることもわかる。ひとつは台東区。なるほど南部エリアの人口は今も急増を続けているが、同時に入谷や鶯谷など区の中部エリアにまで人口増加の傾向が広がっている。蔵前から都心と入谷から都心は、考えてみれば5分ぐらいしか所要時間が変わらない。

 もうひとつは、両国はもとより、王子、赤羽、押上など、交通アクセスに優れるまちでも飛び地的に人口増が見られることだ。図表2記載のランク外となるが、荒川区でも日暮里駅周辺は年平均2%に限りなく近い人口増加率を示している。

 蔵前、門前仲町、両国、王子、日暮里。いわゆる「住みたいまちランキング」では、トンと縁遠い顔ぶればかり。「住みたいまち」と「住むことを選ぶまち」との間に、大きな溝が生まれ出しているのだ。

地価上昇率2年連続トップは意外な区

 一番わかりやすい指標は地価の動向だろう。2018~19年の1年間で住宅地の地価が23区で一番上昇したのはどこか。都心? 西部山の手? 答えは違う。

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