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KDDI、ライフネット生命にTOBか…旧村上ファンドが大量株取得

文=編集部
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創業者たちが次々と去る

 ネットで生命保険を売るという発想は斬新で、シンプルさと安さを武器に、創業当初の数年間、契約件数は面白いように伸びた。しかし、オンライン生保市場への新規参入が相次ぎ、13~14年度ごろから業容の拡大にブレーキがかかり始めた。

 営業開始から10年余を経た現在でも、生命保険のネット販売は全体の数%にとどまる。「保険商品を選ぶのは難しい」というイメージが根強くあって、営業担当者から対面で説明を受けたいと考えている人が多い。ネット専業だったライフネット生命も、保険ショップでの対面販売に乗り出した。

 創業者たちは別の世界へ飛び立っていった。13年に社長から会長に就いた出口氏は17年6月に経営の第一線から退いた。08年の営業開始からマーケティング部門を担当してきた中田華寿子常務も同時に退任した。上智大学文学部社会学科卒。電通出身でスターバックスコーヒージャパンの広報室長を務めていた。

 出口氏は18年1月1日、立命館大学アジア太平洋大学(APU、大分県別府市)の第4代学長に就いた。自薦他薦の候補者は約100人いたが、「学者でないが賢者である」と是永駿学長(当時)が高く評価して、自分の後継者に選んだと伝わっている。

 岩瀬氏は18年6月、社長のポストを森亮介氏に譲り、代表権のない会長に退いていたが、今年6月23日付で退任する。森氏は京都大学法学部卒でゴールドマン・サックス証券出身。創業メンバーである出口氏に続き、岩瀬氏が退任することで、新たな経営体制でオンライン生保市場での成長を目指す。

 ライフネット生命の19年3月期の最終損益は当初黒字を見込んでいたが、17億円の赤字となった。20年同期の最終損益も20億円の赤字の見込み。水面下に沈んだままだ。スマホ向けのアプリの拡充など保険以外の分野を強化する。

 生保業界に新風を吹込んだライフネット生命は10年の歳月を経て、大きな曲がり角に差しかかった。筆頭株主のKDDIの傘下に入って、「auライフネット生命保険」として生まれ変わる日が、刻々と近づいている。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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