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現役マネージャーが語る、芸能ニュース“裏のウラ”第6回

『集団左遷!!』失速は福山雅治のせいじゃない!業界関係者が語る連ドラ視聴率のカラクリ

構成=白井月子
『集団左遷!!』失速は福山雅治のせいじゃない!業界関係者が語る連ドラ視聴率のカラクリの画像2火曜ドラマ『わたし、定時で帰ります。』 TBS公式サイトより

脚本にリアリティがある『わたし、定時で帰ります。』

 でもそれはほかのドラマも同じことで、『わたし、定時で帰ります。』(TBS系、主演・吉高由里子)や『ラジエーションハウス〜放射線科の診断レポート〜』(フジテレビ系、主演・窪田正孝)みたいに、GWに一度下がってしまった視聴率をどんどん盛り返してるドラマだってあるから、一概には言えないんですけどね。

 視聴率がちゃんと戻ってくるドラマって、やっぱり内容がよくて、みんなの話題に上りやすいドラマなんですよね。放送の次の日、会社や学校で「昨日のドラマ見た?」「あのドラマの○○が○○だったよね〜」ってみんなが話題にしたくなる。『わたし、定時で〜』が、ネットで騒がれているのはよくわかります。脚本にリアリティがあってすごくいい。新入社員が口にする文句なんかが本当にリアルで、それに対する反応も今までだったら「新入社員はわかってないよね」って愚痴る展開になりがちなんだけど、そうではなく、その子の気持ちを受け止めて、じゃあどうやって前向きに解決していくかというドラマになっている。お仕事ドラマでは、今までありそうでなかった内容だと思います。

 そう考えると、福山さんのドラマは見ている人が共感する要素が少し足りなかったのかな。なかなか自分ごととして感情移入して見られないというか……。

初回の視聴率は、主演俳優の責任

 ただね、これは業界の内側にいる人はみんな思っていることだと思うのですが、「ドラマの責任を役者が負う」って、そもそもちょっと違うよ、というね。

 より厳密にいうと、「初回」の視聴率は、これは「役者の責任」も大きいんですよ。ドラマって最初はやはり「誰が出ているか」で視聴開始されることが多いから、要は出ている役者さんの人気によるところが大きい。

 でもね、第2話以降の視聴率って、どうでしょう。それってどちらかというと、役者よりも脚本や演出、プロデュース……要は制作側の問題じゃないでしょうか。だってだいたいの視聴者は、1話目が面白いかどうかで、次回以降も見るかどうかを決めるわけですから……。アレコレいわれている、『集団左遷!!』における福山さんの“顔芸”だって、福山さんが勝手にそうやっているわけではもちろんなくて、そういう演出なわけですからね。

 だからザックリ乱暴にいってしまうと、初回の視聴率は、主演の役者が持っている数字。でも、そこから先、視聴率がどう変化していくかは、制作陣の力量による数字だと思うんです。そもそも視聴者に選んでもらえるかどうかは役者の人気によるから、そこをネットニュースやSNSでアレコレいわれるのはしょうがないと思います。でも、初回の数字がよかったのに、その後視聴率が下がったことのすべてに関して、「福山のドラマが大コケ!」「福山の顔芸がひどいから!」と主演俳優がすべての戦犯みたいに書かれてしまうのは、少々気の毒ですよね……。

芸能吉之助/芸能マネージャー

芸能吉之助/芸能マネージャー

弱小芸能プロダクション“X”の代表を務める、30代後半の現役芸能マネージャー。趣味は食べ歩きで、出没エリアは四谷・荒木町。座右の銘は「転がる石には苔が生えぬ」。

Twitter:@gei_kichinosuke

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