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若者はなぜさっさと辞める? 「やってらんねー」を生む世代間ギャップ2.0

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※画像はイメージ(新刊JP)より

 平成最後の新卒社員が入社してはや2カ月。そろそろ職場にも慣れ、配属先が決まったりする頃でしょう。

 この時期、マネジメント側にとって怖いのが早期離職。3年で3割辞めると長らく言われ続けていますが、実は1年以内に辞める若者も少なくありません。厚労省の統計によれば、500人規模の企業では1割程度、30人規模の企業になると2割もの新卒社員が離職しています。

 かつてとは環境が違うとはいえ、まだ仕事も覚えきらない1年目に辞めるなんて、オトナ世代からすると違和感があるもの。なぜ、こんなにあっさりと辞めてしまうのでしょうか?

 『なぜ最近の若者は突然辞めるのか』(アスコム/刊)の著者、平賀充記さんは、「時代と経験の違い」だけにとどまらない「世代間ギャップ2.0」がその原因だと語っています。

 「世代間ギャップ2.0」とは、スマホやSNSによって「オンラインに生きる若者」と「オフライン中心のオトナ」の間に生まれた、生きる空間の違いのこと。SNS的なコミュニケーションや生き方を身につけた若者にとっては、オトナの働き方や職場の常識が「やってらんねー」と不満をためる原因になっているそうです。

 平賀さんは本書の中で、若者の仕事に対する価値観や考え方を、5つの特性と20のキーワードに整理しています。ここではその中のいくつかを紹介しましょう。

<若者5つの特性>

1)過剰忖度…自分が周りからどう見られているか常に気になり、炎上を恐れる
2)相対的自意識…他人と自分を比べてしまい、「自分はこうありたい」と自意識が膨らむ
3)ヨコ社会…タテ社会よりも個人と個人がフラットにつながる関係に慣れている
4)イミ漬け…何事にも目的や意味など合理的な理由がないと納得できず、無駄が嫌い
5)時間価値…効率よく時間を使って生産性を高めたい

■周りに迷惑はかけたくないけど気づいてほしい

「意味わかんない指示の連発。つらいけどやらなきゃ終わんない。徹夜かも」

 ツイッターなどで、特定の相手に送る「リプライ」ではなく、誰に向けてかわからないような投稿をあえてする「エアリプ」。職場でも、独り言のように「あー、最悪」とか「もうヤバい、しんどい」などと口にする人がいたりします。

 見ている側からすると自分がレスポンスしたほうがいいのか、放っておいてほしいのかよくわかりません。「大丈夫? どうしたの?」と声をかけても「なんでもないです。大丈夫です」と返ってきます。

 これ、ほぼ大丈夫ではありません。深層にあるのは、誰かに自分の大変さに共感してもらいたいというカマチョ(かまってちょうだい)心理です。

 そんなときは迷わず一言、声をかけるべき。「大変な仕事お願いしちゃったけど、すごく頑張ってるよね」。共感からの承認、これに勝るクスリはありません。

■上司も部下もプロジェクトを進める仲間

 若者が職場に求めているのは、ひとつの仕事を協力して成し遂げる「仲間」です。なぜなら、SNSで育った彼らは肩書きや年齢に縛られないフラットなヨコのつながりに慣れているから。彼らにとっての仕事は、上意下達でやらされるものではなく、それぞれが能力を発揮して助け合うプロジェクトです。

 トップの号令でがむしゃらに働いた昭和が『巨人の星』型なら、平成は修行で強敵を打ち倒す『ドラゴンボール』型、そして令和は仲間と助け合う『ONE PIECE』型とでも言えるでしょうか。

 そんな彼らに、組織への帰属意識を強く持ってもらうのは、簡単ではありません。それこそ『ONE PIECE』の主人公、ルフィのように、明確なビジョンを掲げて、強烈な仲間意識を共有できるリーダーが必要なのかもしれません。

■残業のコスパ、飲み会のコスパ、出世のコスパ

 デフレの真っ只中で育った若者は無駄が大嫌い。彼らがとにかく気にするのがコストパフォーマンス。いわゆるコスパです。

 日用品は百円ショップ、洋服はファストファッション、自動車はシェア、音楽は聴き放題サービス。最低限の価格で機能を果たせば十分。価格比較サイトで口コミやレビューも山ほど読めます。

 逆に「なんで高いお金を出してそんなものを買ったの?」と思われることは屈辱。コスパはもはや、若者にとって強迫観念と化しています。

 コスパの概念は当然、仕事にも適用されます。飲み会のコスパ、残業のコスパ、出世のコスパ、なんでもコスパです。

「やたら残業して稼ぐより、定時帰り」
「叱られまくって稼ぐより、叱られない仕事」

 欲望を刺激するより、コスパに訴えたほうが若者の心は動きます。

■時間を奪われるのが最悪のパワハラ

 本書によると、20代の若手社員に何が一番のパワハラか尋ねたところ「時間を奪われるのが最悪」という答えに多くの票が集まったそう。

 これはひとつの例ですが、若者は全般的に、時間に対して非常に大きな価値を見出しています。SNSで何百人とか千人超のフォロワーとつながり、いくつものコミュニティで活動している彼らは、どうやって時間を生み出すか、そしてその時間で何を生産するかを考えています。つまり「タイムパフォーマンス」を常に追求しているのです。

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