輸入小麦使用の食パン、発がん性あるグリホサート検出…世界で使用禁止の動き、日本は緩和

日本では残留農薬基準の大幅緩和

 世界的にはIARCによる報告以降、以下のとおりグリホサートを排除する動向が強まっている。

・15年:ドイツの大手ホームセンターがグリホサートを含む製品の取り扱い中止

・同:スリランカがグリホサートの輸入を禁止

・同:コロンビアがグリホサートを主成分とする製品の散布禁止

・16年:EU委員会はグリホサートについて加盟国に規制強化を要求。イタリアは、公園や市街地、学校、医療施設周辺などでのグリホサートの使用禁止

・17年:スウェーデン、ベルギーなどがグリホサートの個人使用禁止

・同:米国カリフォルニア州がグリホサートを発がん性物質リストに登載の方針を発表

・18年:チェコが2019年からグリホサート使用を全面禁止

・19年:ベトナムがグリホサートを含む除草剤の輸入を禁止

・同:インドではパンジャブ州など4州に続きケララ州がグリホサートの販売を禁止

 このような世界的な動きに逆行していると言えるのが日本の動向である。日本では、ホームセンターでグリホサートが含まれているラウンドアップが堂々と売られ、個人も含めて使用されている。

 それだけではない。日本政府は昨年12月、農薬メーカーの求めに応じてグリホサートの残留農薬基準の大幅緩和を実施したのである。これにより残留農薬基準は、以下のとおり大幅に緩和された。

・小麦:5ppm→30ppm

・ライ麦:0.2ppm→30ppm

・トウモロコシ:1ppm→5ppm

・そば:0.2ppm→30ppm

・ごま種子0.2ppm→40ppm

 これは、海外の農業生産における全面使用を前提とする残留農薬基準設定であるが、このような基準であれば、今後も輸入小麦を原料とする食パンにはグリホサートが残留することになる。消費者は、国産小麦を原料とする食パンを選ぶか、残留農薬基準の見直しを求めるかどちらかを選択しなければならない事態に直面している。

(文=小倉正行/フリーライター)

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