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吉本「契約書ない」問題、吉本に芸人を闇営業禁止&謹慎処分にする“権利がない”可能性

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なんばグランド花月(「Wikipedia」より)


 宮迫博之らが反社会的勢力に闇営業をかけていたことが発覚したことに端を発し、騒動が収まらない吉本興業。お笑いコンビ・スリムクラブも闇営業を行っていたとして無期限謹慎処分を発表した。その一方で、闇営業に関連して所属芸人たちから「吉本には契約書がない」という証言が次々に飛び出して話題を呼んでいる。

 闇営業を仲介していたとして実質的に解雇された入江慎也(カラテカ)は、ツイートした謝罪文の中で「私、入江慎也は吉本興業の所属契約を解消となりました」と報告。また「吉本興業を通さずに芸人の先輩や後輩をこのような場に誘い、巻き込んでしまったのは私の危機管理能力の不十分さ、認識の甘さが招いてしまったことです」と綴っていた。

 入江の謝罪文は大きな注目を浴びたが、他方で吉本所属芸人からは契約にまつわる発言が相次いだ。たとえば、近藤春菜(ハリセンボン)は6月7日放送の『スッキリ』(日本テレビ系)で、「吉本興業と芸人の間に契約書というものがない」とコメント。MCの加藤浩次(極楽とんぼ)も「俺らは交わしたことがない」と同調し、近藤は契約書がなかったことで「(規約など)わからない部分もあるんです」と打ち明けている。

 また、9日放送の『ワイドナショー』(フジテレビ系)では、松本人志(ダウンタウン)が「そもそも入江は契約してないからね」とコメント。進行役の東野幸治が「そんなん言うたら、我々吉本(芸人)全員してませんから」と切り返すと、松本は「そうなんですけど」と、東野の発言を否定しなかった。

 スリムクラブの処分を報じた28日の『スッキリ』では、改めて契約書が議論の的になった。コメンテーターの大畑大介氏は、「これから吉本興業として、やはりどういったかたちで芸人の方との契約をしていくのかっていうことが、すごく大事だと思う」と言及。同じくコメンテーターの菊地幸夫弁護士が「このお2人(加藤浩次・近藤春菜)クラスの方で契約書がないっていうのは、私は驚いたんですけど」と明かすと、加藤は「その流れでずっときてる会社だからね」と語っている。

 契約書をめぐる一連の発言について、インターネット上では「ここまで問題が膨れ上がったのだから、吉本興業は芸人との契約をどう捉えているのか説明すべき」「契約をしっかりしていないから、会社を通さない闇営業が常態化しているのでは?」「社会的認知度の高い会社が、働き手と契約を結んでいないこと自体、大きな問題だと思う」といった意見が相次いだ。

契約書を交わさない吉本の問題点

 では、そもそも「吉本所属」の定義は、どのようなものなのか。吉本のある芸人は、こう明かす。

「NSC(吉本総合芸能学院)という養成所を卒業後、プロフィール登録用紙を提出することで“吉本所属”となります。NSCではなくオーディションから入った方は、合格後にプロフィール登録して所属になると思います」

 吉本所属となった後、契約書はまったく交わさないのか。仕事内容や報酬について、口約束であっても約束事を決めないのだろうか。

「口頭でも約束は交わしません。仕事内容が伝えられることはあっても、一般的に契約書に書かれるような条件面が伝えられることはないですね。こちらから聞けば教えてくれますが」(前出の芸人)

 このような吉本の雇用状態に問題はないのだろうか。エンタメ業界に詳しい法律事務所エイチームの馬場貞幸弁護士は、「問題はある」と懸念を示す。

「社会保険料の源泉徴収がされておらず、芸人が毎年確定申告をしているということであれば、“雇用関係”ではなく、芸人たちは個人事業主として登録し、“業務委託”の関係にあると考えられます。そうなると、解雇(契約解除)や謹慎といった処分を下す法的根拠がどこにあるのか、という問題が浮上します。たとえば、取引契約であれば、通常は『反社会的勢力とのつながりが判明した場合には、契約を解除する』といった条項を盛り込みますが、そのような契約書を交わしていないのであれば、芸人たちを処分する根拠がないことになります」

 芸能事務所では、契約書を交わさないということは、よくあるのだろうか。

「あまりないと思います。モデルに関しては、契約書を交わさないことも珍しくないようですが、タレントや歌手、俳優などは、逆にガチガチに細かい契約で縛りつけ、それが問題になることも多く、契約書を交わさない事務所はほとんどないでしょう」(馬場弁護士)

 吉本が所属芸人と契約書を交わさないという体勢は、極めて“グレー”な状態だという。

「契約書を交わしていないということは、独占的な所属契約という根拠を欠き、事務所を通さない“闇営業”は契約違反にならないと考えることが十分に可能ではないでしょうか。そうすると、闇営業自体を吉本がとがめることはできないことになります。また、謹慎などの処分を下す根拠もあいまいです。逆に、謹慎処分という懲戒権の行使をしていることから、実質的には雇用関係であるとみることもできます。そうすると、労働基準法に基づいて書面で契約書を交付しなければならないところですが、それに違反していることになります」(同)

 高まる世間の声を受けて、吉本は契約体制を見直すことになるのか。闇営業とは無関係の芸人にとっても、他人事ではなくなりそうだ。
(文=編集部)

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