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渡邉哲也「よくわかる経済のしくみ」

G20で日本が韓国・文大統領を冷遇…半導体材料の輸出規制を強化、韓国通貨危機の懸念も

文=渡邉哲也/経済評論家

 また、同時に韓国は外国為替及び外国貿易法(外為法)の優遇制度「ホワイト国」から除外される見込みだ。これは、軍事転用されると安全保障の脅威となる先端技術などの輸出について許可申請が免除される制度で、除外後は個別の出荷ごとに国の輸出許可の取得が義務づけられる。これについては、7月1日からパブリックコメントが実施され、8月1日をめどに運用が開始されるという。

 ホワイト国から外れることで、韓国は金融面での信用悪化も想定される。韓国の金融は日本が裏支えしてきた側面が強く、日本市場へのアクセスが困難になれば、韓国企業の調達金利の上昇や通貨暴落の要因にもなり得る。今回の輸出規制を定める外為法では日本からの送金を規制することも可能であり、仮に実施されれば韓国の金融産業が大打撃を受け、長期化すれば通貨危機に発展する可能性もあるだろう。

 日本としては、送金規制のほかに、ノービザ渡航の廃止、外国人労働者受け入れ国からの排除、留学生や就労ビザの不許可運用など、まだ多くのカードを持っている。半導体材料の輸出規制は、1枚目のカードを切っただけにすぎないのだ。

 また、これらの対応はG20で米国をはじめとする関係国とすり合わせをした上でのものと思われる。トランプ大統領がツイッターで直接北朝鮮に呼びかけ、実際に金委員長と再会するに至った。ほぼ時を同じくして、日本は韓国に異例の制裁を科すことを決めた。G20の裏で、韓国は政治的にも経済的にも厳しい立場に追い込まれたことが明白である。

(文=渡邉哲也/経済評論家)

渡邉哲也/経済評論家

渡邉哲也/経済評論家

作家・経済評論家。1969年生まれ。
日本大学法学部経営法学科卒業。貿易会社に勤務し独立。複数の企業を経営、内外の政治経済のリサーチや分析に定評があり、政策立案の支援、雑誌の企画監修、テレビ出演等幅広く活動しベストセラー多数、専門は国際経済から金融、経済安全保障まで多岐にわたり、100作以上の著作を刊行している。

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『2019年 アメリカはどこまで中国を崩壊させるか:そして日本が歩む繁栄の道』 中間選挙でアメリカ議会は上院と下院で「ねじれ」状態になった。トランプ政権は民主党と共闘しやすい中国攻撃を加速させていく! 一方の中国は2019年に建国70年記念を迎えるため、メンツとして決して譲歩できない状態だ。2019年は欧州で英国のEU離脱、欧州議会選挙、日本では天皇陛下のご譲位、消費税増税など、国際的に大きなイベントが目白押し。加えて徴用工問題で韓国は墓穴を掘り、朝鮮半島情勢も混沌としていく! 米中は、世界は、アジアはどう変わっていくのか。日本の行方は? 気鋭のエコノミストが分析する! amazon_associate_logo.jpg

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