住宅ローン大手アルヒで「フラット35」不正利用の疑い…多重債務者の借り換えの温床か

 19年3月期の連結決算(国際会計基準)の売上高に当たる売上収益は前期比17%増の238億円、当期純利益は同10%減の43億円。18年同期に12億円の繰り延べ税金資産を計上していた影響で減益となった。

 20年3月期の売上収益は19年3月期比14%増の272億円、当期純利益は同12%増の48億円を予想。年間配当金は50円に増額を計画している。18年3月期の配当は22円、19年同期は44円と倍増。さらに増やすとしている。

 アルヒは株式の売り出しを実施した。売り出し人は筆頭株主だったカーライル・グループとSBIホールディングスで、売り出し価格は2051円。受渡日は3月5日。自己株式を除いた売り出し株数の割合は40%に上る。

 この結果、新しい株主に海外の投資ファンドが名を連ねた。アルヒの株価は持ち直し、売り出し価格(2051円)を3%上回ったが、ほぼ同一水準といえる。年初来高値は2566円(1月21日)である。会長兼社長兼CEO兼COOと、全権を一手に握る浜田氏は具体的な株価上昇策を求められることになる。

「フラット35」の不正は不動産バブル崩壊の予兆か

「フラット35」は、戦後長らく続いてきた「持ち家促進政策」にほかならない。当然ながら、利殖のために使うのは御法度である。不動産業界では、「不正を行う大きな理由は、多重債務者の借り換え」(金融アナリスト)といわれている。「フラット35」で過大な融資を受け、差額分を借金の返済に充てるというスキームだ。

 不動産会社は、仲介するだけで責任は取らない。どんな融資案件でも住宅金融支援機構が手数料を上乗せして買い取ってくれるから、貸し倒れリスクはゼロである。

「フラット35」の運用に関しては、12年に会計検査院が融資体制の甘さを指摘している。住宅金融支援機構が審査を厳格にしないため、「なんちゃって」のような事案を根絶できない、とみられてきた。

 仮に、本当に「フラット35」で不正を行っている人の多くが多重債務者だとすると、極めて厄介なことになる。物件を投資用として使っているのであれば、購入者は住宅金融支援機構に「住所変更届」を出しているはずだ。住所変更届の件数をきちんと把握すれば、“不正”の実態はわかるとされている。

「フラット35」の闇は深くて暗い。
(文=編集部)

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