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南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」

世界的異常気象で日本の食料確保に危機…「低」食料自給率の裏に米国の外圧

文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事
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食料不足に備える方法

 また、このような農業被害の影響として、穀物をはじめとする食料価格が高騰することは間違いないでしょう。結果的に畜産業のエサ代も高騰するため、食肉価格も上がることになります。それが皆さんの家計に、どれほどの痛手となるかはわかりませんが、まったく影響を受けないということはないと考えるべきでしょう。

 日本は、今すぐにでも政策を転換して農業重視の方針にすべきですが、そうもいかないことはわかっています。要するに、アメリカからの外圧を跳ねのけることができない構造になっているためです。したがって私たちは、それぞれが独自に、外国から食料が入ってこなくなることを想定して、それに備えたほうがよさそうです。

 日本でも、このところおかしな天候が目立つようになり、そのことが農業に及ぼす影響を危惧している人たちも増えてきました。不順な天候に強いのは、慣行農法よりもオーガニックです。これは、実際に筆者が各地の農業の現場を訪れ、農家の方々に直接話を聞くなかで導き出した結論ですが、それはすでにアメリカのカリフォルニア大学のヴァシリキオティス博士も、長年の実験により証明しておられます。

 では、食料不足に備えるという意味で、私たちが実生活でできることは何かといえば、オーガニックで農業を営んでいる農家を、なんらかのかたちで支援することだと筆者は言い続けてきました。自分自身でオーガニックの農家と直接つながるのもひとつの方法だと思います。時には農家を訪ねて栽培方法を教えてもらったり、草取りの手伝いをしたり、収穫を手伝ったりできたら素敵ですね。ただし、農家の皆さんの作業の妨げにならないように、気遣いもしていただきたいところです。そういう、お互いの信頼関係を築くことは、これから何よりも大切になっていくでしょう。

 ご自身で農家との絆をつくることができない方は、すでにあるシステムを利用するのも一手です。筆者も独自に野菜の宅配システムを運営しているので、それを活用することで、間接的にではありますが、オーガニックの農家を支援するということもできます。

「KIYOのお野菜宅配システム」の詳細は → http://kiyo-san.jp/delivery/

 どのようなかたちであれ、私たちは自分の生活に密着していて、しかも実現可能な方法で、農業と直接的な関係を持ち続けるべきだと、筆者は考えます。そのことは、自分たちを守る方法であると同時に、わずかながらでも地球環境の悪化を防ぎ、環境を良い方向に向かわせる具体的方策ともなるのです。そしてそれこそが、やがて起こるかもしれない、大規模な食糧危機に備える唯一の方法でもある、ということにこの時点でお気づきいただきたいと思います。
(文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事)

●南清貴(みなみ・きよたか)
フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、体と食の関係の重要さに気づき、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。

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