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平林亮子と徳光啓子の「女性公認会計士コンビが教える、今さら聞けない身近な税金の話」

仮想通貨、知らないと「税金でメッチャ損する」注意点&節税法

文=平林亮子/公認会計士、アールパートナーズ代表、徳光啓子/公認会計士
仮想通貨、知らないと「税金でメッチャ損する」注意点&節税法の画像1
「Gettyimages」より

 

 今回は仮想通貨取引をめぐる税金について、女性公認会計士コンビ、先輩の亮子と税務に強い後輩の啓子が解説していきます。

亮子「仮想通貨を保有しているだけでは所得税はかからないということね」

啓子「はい」

亮子「売却した時に、取得時の価格との差が利益や損失となる。利益の場合には所得税が課せられる」

啓子「はい。その利益の計算方法について、少し詳しく見てみましょう!」

仮想通貨に税金がかかるとき

 仮想通貨を入手し、保有している時には、税金はかかりません。ちなみに、仮想通貨は法定通貨ではないものの、貨幣として認められているため、売買に消費税もかかりません。税金がかかるのは、(1)売却した時、(2)仮想通貨で支払いをした時になります。(1)の場合には、売却した価格と購入額との差額が利益、(2)の場合には、支払いにあてた額と購入額の差額が利益となり、雑所得となります。

いくらで取得したかは「平均」で計算する

 仮想通貨の所得の計算をするためには、仮想通貨をいくらで購入したか、取得価額を把握する必要があります。もちろん、購入時の金額が取得価額とされるのですが、複数回異なる価格で購入した場合には、取得価額を計算しなければならないのです。計算方法は(1)移動平均法または(2)総平均法を用います。いずれの方法も購入金額を平均して計算するのですが、それぞれ平均するタイミングが異なります。下記のような取引をしたものと仮定して、どのように計算するのか見てみましょう。

※計算の便宜上1000円以下は切り捨てして計算をしています。

※仮想通貨はビットコインを前提に計算をします。

<取引>

5月10日  5ビットコインを300万円(支払手数料含む)で購入

6月10日  5ビットコインを400万円(支払手数料含む)で購入

7月20日  6ビットコインを480万円で売却

9月15日  2ビットコインを80万円(支払手数料含む)で購入

11月25日  4ビットコインを360万円で売却

(1)移動平均法

 移動平均法は、ビットコインの数に変化が生じる都度、金額を計算する方法です。

5月10日:300万円 ÷ 5BTC = 60万円/BTC

6月10日:(300万円 + 400万円)÷(5BTC + 5BTC)=70万円/BTC

7月20日:480万円 - 70万円/BTC × 6BTC = 60万円の利益、70万円のビットコイン4残

9月15日:(70万円 × 4BTC + 80万円)÷(4BTC + 2BTC)=60万円/BTC

11月25日:360万円 - 60万円 × 4BTC = 120万円の利益、60万円のビットコイン2残

 1年間の利益は、

60万円 + 120万円 = 180万円

となります。

平林亮子/公認会計士、アールパートナーズ代表

平林亮子/公認会計士、アールパートナーズ代表

1975年千葉県生まれ。お茶の水女子大学文教育学部地理学科出身。
企業やプロジェクトのたち上げから経営全般に至るまで、あらゆる面から経営者をサポートしている。
また、女性プロフェッショナルに関するプロジェクト「SophiaNet」プロデューサーを務めるなど、経営サポートに必要な幅広いネットワークを持つ。
さらに、中央大学商学部客員講師として大学で教壇に立つなど、学校、ビジネススクール、各種セミナーなどで講義、講演も積極的に行っている。
『決算書を楽しもう!』 『「1年続ける」勉強法―どんな試験も無理なく合格!』(共にダイヤモンド社)、『相続はおそろしい (幻冬舎新書)』(幻冬舎新書)、『1日15分! 会計最速勉強法』(フォレスト出版)、『競わない生き方』 (ワニブックスPLUS新書)、『5人の女神があなたを救う! ゼロから会社をつくる方法』(税務経理協会)など、著書多数。
合同会社アールパートナーズ

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