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ジャパンディスプレイ、金融支援の枠組み崩壊…市場で“最悪の事態”も想定内に

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月崎義幸ジャパンディスプレイ社長記者会見(写真:毎日新聞社/アフロ)
月崎義幸ジャパンディスプレイ社長記者会見(写真:毎日新聞社/アフロ)

 ジャパンディスプレイ(JDI)の第17期定時株主総会が6月18日、東京都港区赤坂、赤坂インターシティAIR4階、赤坂インターシティコンファレンスで開かれた。午前10時に始まった総会には237人の株主が出席した。

「資本提携先がいなくなってびっくりした」「いま合意している相手とは、(本当に)合意しているのか」といった厳しい追及の声が、月崎義幸社長兼最高経営責任者(CEO)に向けて飛んだ。株主の矛先は、二転三転している金融支援の枠組みのあやふやさに向かった。

 JDIは4月、台中3社連合から最大800億円の支援を受け入れると発表した。しかし、3社連合のうち、251億円を出すはずの宸鴻光電科技(TPK)が交渉から離脱。142億円を出す予定の台湾の富邦グループからも支援を確約する通知が来ず、メンバーから外れた。

 残るのは400億円の支援を予定していた中国ファンドの嘉実基金管理(ハーベスト)グループだが、支援に関する機関決定を延期した。つまり、株主総会時点では支援の枠組みが完全に崩壊したのだ。

 株主総会で説明に立ったのは、10月に社長に就く菊岡稔・常務執行役員。台湾勢が抜けた穴を埋めるため、161億円を支援すると表明した香港のヘッジファンド、オアシス・マネジメントなどと「800億円はきちんとしたかたちで調達できるように交渉している」と強調した。

 会社側は「収益体質を強化するため、2020年中にスマホ以外の売上高比率を現状の3割未満から50%まで高める経営計画を策定中」と明らかにしたが、株主から納得を得られたとは言いがたい。

 19年3月期の連結決算の売上高は前期比11%減の6366億円、最終損益は5期連続の1094億円の赤字だった。

 総会では取締役選任など2つの議案が賛成多数で可決されたが、月崎氏の選任への賛成比率は75.58%にとどまった。議決権行使助言会社ISSは、月崎氏の取締役再任に反対を推奨していた。取締役5人は全員、賛成比率が80%に届かなかった。

 JDIは金融支援をめぐる交渉が難航。月崎氏は9月末に社長兼CEOを辞任し、菊岡氏が後任社長に就くことが決まっている。菊岡氏は日本興業銀行出身。日東電工などを経てJDI入りした。財務・経理のプロで、台中3社連合の枠組みをまとめ上げた実績から次期社長に内定していたが、台中連合はあっけなく崩壊した。そのため、「経営危機のJDIの経営のカジ取りを、バンカー出身の社長ができるのか」(アナリスト)と、早くも厳しい声が出始めている。新社長は、いきなり試練に立たされた。

「アップル支援」の報道で株価は一時、上昇

 米紙ウォールストリート・ジャーナルは6月18日、米アップルがJDIの支援を検討していると報じた。

<アップルはJDI向け融資の返済条件の緩和に同意。しかし、JDI救済を検討している投資家が、アップルに対し、債権の一部放棄のほか、200億円の資金支援や2019年、20年のJDIへの発注保証を要求。アップルはこうした支援策も検討しているという>

 この報道によってJDIの株価は55円(6月18日)から70円(20日)へと27%上昇した。6月27日の終値は71円。一時、79円をつけた。7月10日の終値は81円。

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