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紙おむつ“素材”市場、また中韓メーカー台頭で世界的戦乱状態…日本連合が圧倒的シェア1位へ

文=編集部
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三洋化成は豊田通商と東レの関連会社

 三洋化成の株主構成をみると、豊田通商が18.21%で筆頭株主。東レは16.26%で第2位。日本触媒は4.70%で第4位(19年3月末時点)。豊田通商と東レの関連会社である。

 三洋化成は1949年、三洋油脂工業として創業。もともとは三菱化学と関係が深かった。01年3月、SAPを製造するサンダイヤポリマーを三洋化成60%、三菱化学40%出資で設立。営業を開始した。

 三菱化学は13年3月、SAP事業から撤退する。サンダイヤポリマーの持株40%のうち30%は豊田通商、10%を三洋化成に譲渡した。この結果、サンダイヤは三洋化成が70%、豊田通商が30%出資する合弁会社となり、社名をSDPグローバルに変更した。

 豊田通商は三洋化成が世界で初めてSAPの商業生産を始めて以来、その販売に携わってきた。三洋化成と豊田通商はSAPを戦略的開発商品と位置付けている。豊田通商は出資比率を高め、三洋化成を持ち分法適用会社に組み入れた。

 三洋化成の19年3月期の連結決算の売上高は前期比微減の1615億円、営業利益は同8%増の129億円、純利益は同42%減の53億円だった。SAPなど生活・健康産業関連の売上高は552億円(構成比34.2%)である。

 SAPの生産能力は、日本触媒、独BASF、独エボニック、住友精化に次いで、三洋化成は世界第5位だ。ただし、独BASF、同エボニックの18年度の全売上高はそれぞれ7兆7000億円と日本触媒の22倍に上る。日本触媒の五嶋祐治朗社長自ら「10年後も生き残るには規模が小さすぎる」と述べている。

 日本触媒は16年、SAPの特許侵害をめぐり、住友精化に10億円の損害を請求する訴えを起こした。18年8月、日本触媒から和解を申し入れ、和解が成立した。

大型再編の起爆剤になるか

 紙おむつ市場は、国内は少子高齢化で縮小傾向にあるが、世界規模でみると成長分野だ。中国は世界最大の紙おむつ消費国であり、アジア諸国やインドは巨大なマーケットだ。

 SAP市場には中韓メーカーの新規参入や設備増強が続き、戦国乱世の様相をみせている。

 三洋化成は、次の大型の設備投資が難しかったため、日本触媒との統合に合意した。住友化学が筆頭株主の住友精化が日本触媒=三洋化成連合に合流し、世界の紙おむつの原料市場で、5割のシェアを目指すとの観測も出ている。

 03年、住友化学と三井化学の合併が破談になって以降、化学メーカーの再編の動きは停滞していた。日本触媒と三洋化成の統合が、化学工業の大型再編の起爆剤になる可能性もある。

 日本触媒の五嶋社長は日本経済新聞のインタビューで、三洋化成との経営統合により「次世代電池といった新事業の育成により100億円の統合効果を生み出す」と語った。主力ながら先行き不透明な「おむつ原料」の次の製品開発に意欲を示した。

 力を入れるのは、「全樹脂電池」と呼ぶ次世代電池だ。電極を含めてほぼすべて金属を使わない樹脂製のため発火しにくいという利点がある。
(文=編集部)

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