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『ルパンの娘』ドラマ界のエポックメイキングな作品に?フジテレビのファインプレー

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ルパンの娘 – フジテレビ」より

 名作漫画『キャッツアイ』を思わせるタイトな泥棒スーツ、深田恭子の仮面姿と逆さ吊り、古びた一軒家と高級タワマンをつなげた実家……「B級上等!」の確信犯であることは誰の目にも明らかだった。

 しかし、ツイッターの世界トレンド3位にランクインするなど、その盛り上がりは想像のはるか上。『ルパンの娘』(フジテレビ系)が、わずか8.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)という低視聴率が気にならないほどの反響を見せている。

 さすがに、「ただのネタドラマ」ではここまでの反響は得られないだろう。一つひとつの要素を深掘りしていくと、B級どころか視聴者が惹かれるさまざまな仕掛けが施されていた。

対比と化学反応のみで笑わせる

「泥棒なのにあんな派手な服を着てたら目立つでしょ」「なんで急にミュージカルが始まるの?」「図書館司書なのになんでそんなに強いの?」「兄はひきこもりで家にいるのに泥棒スーツ着るの?」「テントウムシ3号って?」。1話の中で何度テレビにツッコミを入れただろうか。

 当作は“泥棒”と“警察”という相反する一族の“対比”と“化学反応”が物語の肝となっている。「両家の映像を交互に流すことで頬をゆるませ、時折同じ映像に同居させることで爆笑させよう」という狙いだ。

 注目すべきは、ドラマ化にあたって演出面でも“おバカなキャラクター”と“洗練された空間”という、相反する両者の対比と化学反応を狙っていること。

 たとえば、表向きはB級っぽく見せかけておきながら、その映像はスタイリッシュで、美術からロケ地、照明、衣装まですべてが美しい。それが「おバカなのにどこかカッコイイ」「くだらないのに見入ってしまった」という視聴者心理につながっている。この内容にもかかわらず、「安っぽい」というコメントがほとんど見当たらないのが、“おバカなキャラクター”と“洗練された空間”が共存している何よりの証拠だ。

 称えたくなるのは、基本的に「登場人物、舞台、テンポ、セリフの緩急のみで勝負しよう」「とことんまじめに、全力でふざけよう」という潔い姿勢。それが年齢性別を問わず、「深く考えずに笑える」というわかりやすい笑いにつながっている。

 一方、夏ドラマのコメディで当作と比べられがちな『Heaven?~ご苦楽レストラン~』(TBS系)で目立つのは、「小ネタを詰め込んで笑わせよう」というシーン。近年、SNS対策もあって小ネタを詰め込んだコメディが増えているが、「振りや緩急がないため笑いの幅が小さい」「元ネタを知らなければ笑えない」などの課題がある。

『ルパンの娘』に対するネット上のコメントが若年層から中高年まで幅広いのは、小ネタに頼らない王道のコメディだからではないか。

異質なものに反応する若年層にリーチ

 もうひとつのポイントとして挙げておきたいのは、泥棒が主人公でありながら、ほのかに勧善懲悪の香りを漂わせていること。「ドラマとはいえ、盗みは犯罪だからダメ!」というモラルに厳しい現代社会にも対応した物語であり、「コメディだから」という理由で悪事を是とはしない方針は時流に合っている。

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