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航空経営研究所「航空業界の“眺め”」

エアバス「単通路型」新旅客機に世界中から発注殺到…事故続出のボーイングに圧倒的な差

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乗客は10時間のフライトで、狭いナローボディ機でも耐えられるのか?

 問題は、10時間もの間、狭い機内で過ごす乗客の快適性である。トイレも狭く数も少ない。とりわけ、B787やA350といった最新のワイドボディ機では、客室の気圧と酸素濃度が高く、湿度も高く、格段に快適性が優れているため、差は歴然である。しかし、LCCであれば、そこは運賃の安さとのトレードオフとなる。大手航空の場合も、客席の数と配置の仕方で改善は可能であろう。さらに、大きなハブ空港を経由せずに直接目的地に着けるような場合には、ハブ空港で何時間も待つのに比べれば、10時間のフライトも苦にならないという乗客も少なくないであろう。

ボーイングはどう出るのか? B797をローンチできるのか?

 A321neoは現時点ですでに2,400機を超える受注を得て、200席クラスの旅客機の売上で独走状態にある。ボーイングは当初、ベストセラー機 B737の新型エンジン装備機B737MAXの胴体を延長して対抗しようとしたが、結局これを断念し、代わりにB797と名付けられる予定の小型ワイドボディ機(220-270席)を開発。2025年を目標に年内にもローンチする計画であった。

 しかし、そこへ降って湧いたB737MAXの連続事故と運航停止である。空前の逆風下にあるボーイングをあざ笑うかのように、今回エアバスがローンチしたのがA321XLRである。B797より2年以上も早く完成し、しかも実績のある機体の後継機A321XLRが、B797が狙う市場をさらに激しく浸食することは間違いない。市場が狭まるなかでもB797をローンチするのか、断念するのか、ボーイングの悩みは深い。

 情報筋によれば、B797は小型のB797-6(225席)とやや大型のB797-7(275席)の2つで構成される。今回のA321XLRのローンチを受けて、市場での競争力からA321XLRより大きいB797-7を先に開発せざるを得ないといわれる。とはいえ、B797は「ワイドボディの快適性」と「ナローボディの経済性」を併せ持ち、斬新で旅客にも航空会社にも魅力ある旅客機である。ボーイングが不死鳥のように蘇り、B797をローンチし、エアバスとの健全な競争が展開されることを期待したい。
(文=橋本安男/航空経営研究所主席研究員、桜美林大学客員教授、運輸総合研究所客員研究員)

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