欧州議会主席も同年7月27日、414名の議員が共同署名した48号書面声明を正式に発表。中国共産党に対し、囚人からの臓器摘出を停止するよう要求した。

 今回最終裁定を出した「民衆法廷」は、これまで国際法上問題があると考えられる議題を有識者らが公開検証する独立調査パネル。これまでイラン、ベトナム、北朝鮮などでの人道犯罪を取り上げ、世界各地で開かれてきた。今回は中国臓器収奪が議題となり、中国から脱出した少数民族、信仰者、人権専門家、医師、作家らの証言を基に、英ロンドンで裁定を下した。

 議長のナイス卿は、最終裁定により各国政府および国際機関は「義務を果たすべきだ」と述べた。そして、中国臓器収奪問題は、いまだに大量虐殺が進行している可能性があることから、国際裁判所や国連に訴える必要があるとした。

日本での当事者意識の少なさと無関心は共謀に匹敵する

 中国の臓器収奪問題に詳しい、多言語メディア「大紀元」の元編集長でジャーナリストの張本真氏は、こう語る。

「国連人権委員会の調査、アメリカ議会、欧州議会などでの決議案をはじめ、あまりにも多くの国際的な非難に耐えかね、2005年、中国は公式に死刑囚からの臓器摘出を認めた。しかし、事態は何も変わっていないし、手口はより巧妙になっている。もちろん、今回の判決は大変いいことだが、臓器収奪は中国の共産党が主導し国家ぐるみで行われている犯罪。共産党による統治体制が変わらない限り、大きな変化は期待できない。ただ、正しい道への修正には時間がかかる。地道にこの問題を世界に訴え続けて行くべきだと考えている」

 また、マタス氏はたびたび来日し、「まさに現在進行形のホロコースト(大量虐殺)である」と、国会議員などに対しても惨状を訴えているが、同行したことのある張本氏は「日本での反応は、あまりにも鈍い」と指摘する。

「中国の移植業界と日本とは深いつながりがある。日本人向けの移植ツーリズムの需要に応えた移植センターは、日本の移植ブローカーと連携している。日本で移植技術を学んだ移植外科医も多い。中国は日本から大量の移植関連薬剤を輸入してきた。日本政府が一部資金を提供している中国の移植病院もある。私が報告書を発表してから10年以上経過したが、中国の移植乱用に関して日本が共犯となることを避けるための措置はとられていない。日本の官僚も医療界も、何もしない。日本が何も言わず、何もせず、何も知らないと主張する理由は、能力が不足しているからではないはずだ。見て見ぬフリをしているだけだ。それは沈黙という共謀になる」(マタス氏)

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