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排泄介助がネック…日本の介護職、外国人労働者からも「選ばれない」という絶望

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海外にも不人気ぶりが知れ渡る

 そして、ひとたび介護職が認知されても、次に厄介な問題にぶち当たる。前出の東京事務所代表はこう説明する。

「そもそも日本の若者に人気のない仕事は、海外の若者にも人気がない。介護職の実態や、日本の若者が就業したがらない不人気職業であることは、ネットやSNSでベトナムの若者の間にも広く知れ渡っている」

 特定技能の介護職が従事する業務は、入浴・食事・排泄などを介助する身体介護、機能訓練の補助、レクレーションの実施。就労場所は特別養護老人ホームや介護老人保健施設などで、訪問系サービスには従事しない。

「例えば下の世話をする排泄介助は、人間の尊厳にかかわる尊い仕事ともいえるが、自分の祖父母の世話でも大変なのに、外国に行って見ず知らずの高齢者の排泄介助をすることに抵抗を感じてしまうのは仕方がない。特定技能に指定された他の業種と比べても、宿泊と介護を比べたら、多くの若者は宿泊を選ぶだろう」(前出・東京事務所代表)

 現に、技能実習生では介護職への応募数が少なく、例えば3人募集の求人に対して応募者が4人というような状況も頻発しているという。

 排泄介助がネックになることは、特定技能の受け入れ準備を進めている介護事業者も想定している。この事業者はベトナムに介護施設を開設して、排泄介助を座学だけでなく、現地の入居者に向かい合って体験させる計画を進めている。「ある程度慣れてから日本に送り出さないと、ミスマッチが起きてしまう」(同事業者)と懸念しているのだ。

 さらに介護職と看護職との対比も、選ばれにくい要因に挙げられる。介護業界は特定技能の候補者を技能実習生と同様に、看護大学卒業生をメインに考え、シンポジウムやセミナーでは「看護大学を出た優秀な人材を確保できる」と期待を寄せる発言が飛び交っている。

 だが、日本では医療介護専門職の序列のなかで、介護職は看護職の下位に置かれ、賃金水準も看護職より低い。看護大学や看護専門学校の卒業生はまず病院に就職し、体力的に厳しくなったり、子育てとの両立に迫られたりしてから、賃金と地位のダウンを割り切って介護業界に転職するパターンが多い。

「この実態から、ベトナムの看護大学教員には『せっかく看護大学で学んだのに、なぜ最初から介護現場で働かなければならなのか?』と疑問を口にする人もいる。ただ、ベトナムには病院とクリニックの数が少なく、看護大学を出ても看護職として働ける就職先に限りがあるため、海外で介護職に就こうという流れができている」(前出・東京事務所代表)

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