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放火犯と知り仰天
近所で日本舞踊を教える女性はこう話す。
「10時頃、稽古のテープを回したら、ドーンという音がした。子供がボールでも壁にぶつけたんかと思ったら、すごい匂いがしてきた。外へ出ると京アニさんから激しく煙が上がっていた。消防団にガレージを貸すと担架で若い女性が運ばれてきた。服は焼けただれていた。息はあったけど放心状態でした」
大きな爆発音は2回。あとは散発的に音が何度も聞こえたという。「塗料とかスプレーとかでしょうか」。一緒にいた女性は「工場前の道をいつも通るのでコンビニ弁当を買いに出る社員さんによく会います。みんないい子たち。こんなことになるなんて」と目を伏せた。
近くでエステサロンを営む女性は語る。「朝10時35分頃にインターホンが鳴った。人影が映ってなかったけど飼い犬が鳴くので出たら左側に男性(青葉容疑者)が仰向けで倒れていた。腕は皮がめくれ上がり、脛から下がむき出しでGパンから煙や火も出ていた。近所の人に冷やしたらな、と言われてホースで水をかけ、声をかけたけど返事はなかった。やってきた警官とのやり取りを聞いて、被害者じゃなくて放火犯と知り仰天しました」
警官の「何したんだ。どうしてそんなことした」や青葉容疑者の「パクりやがって。ガソリンまいて(多目的ライターの)チャッカマンで火つけた。チャッカマンは投げた」などと聞こえたそうだ。
「京アニに恨みがあるような言い方もしてたけど、息遣いは苦しそうでした」
女性は「どうして消防士が屋上から助けられなかったのでしょうか。京アニさんはクオリティの高い作品をつくれる優秀な子ばかりと聞きます。日本の財産が失われた気持ちです」と悔しがった。現場には海外メディアの取材班も驚くほど多かった。この女性によると、前日に知人女性が同容疑者とみられる人物と遭遇したが「異様な雰囲気で怖かった」と話していたという。
容疑者は京アニをどこまで知っていたのか
さいたま市在住の青葉容疑者は、アニメ工場近くのガソリンスタンドで「発電機に使う」と20リットルの携行缶2つにガソリンを購入し、台車で運んでいたとみられる。自治体によって取り決めは異なるが、車に給油しない場合は身分証明書をコピーされ、その後はサインなどが必要なケースもある。こうした手続きはなされたのか。ガソリンスタンドを訪れ尋ねたが、話を聞くことはできなかった。