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パワハラ防止法、経団連の反対で罰則規定入らず…経団連、全面禁止条約の採決で“棄権”

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国が問題企業から「法人格」を取り上げよ

 職場のパワーハラスメントやセクシャルハラスメントでは、対処を誤れば被害者が自死に追い込まれることもある。厚労省と独立行政法人・労働者健康安全機構が作ったパンフ『職場における心の健康づくり』(2019年)によれば、「自殺者総数が2万人を超えているなかで、労働者の自殺者数も6千人を超えて推移」しているのだという【図表参照】。つまり、厚労省の「提言」から7年が過ぎても状況は一向に改善していない。


 企業が法人格として納税の際などに特別扱いされ、個人では認められていない節税等の優遇措置を受けていることを誰もが許し、認めているのは、従業員である市民(すなわち日本国民)を養う役割を企業が果たしているという大義名分があるからにほかならない。その企業が、従業員を食わせるどころか自死に追い込むことなど、もってのほかである。パワーハラスメントによる自殺者を出した法人は「法人の資格なし」として、国が法人格を取り上げるくらいの強い姿勢で臨むのが、本来のあるべき姿なのだ。職場のパワーハラスメントを放置し、見て見ぬふりをし続ける法人にしても同様である。

 パワーハラスメントの実行犯も、厳罰に処すべきなのはいうまでもない。傷害罪や業務上過失致死傷罪の適用を基本として、より悪質なケースは殺人罪に問うことも検討されてしかるべきだ。危険運転致死傷罪ができ、飲酒運転が厳罰に処されるようになった時代に、なぜパワーハラスメント行為だけが蔓延り、罰せられないのか。被害の深刻度を考えれば、パワーハラスメント行為に対する罰則に経済界を挙げて反対することは、時代錯誤も甚だしい。

 喫煙がラジカルなまでに規制され、吸っている本人だけでなく周囲の人々の健康まで害するとの理由の下、煙草の煙どころか匂いまでもが敵視されるようになった時代に、短期間で被害者の健康を害し、命さえ脅かすパワーハラスメントが規制できないわけがないのである。

 子どもの世界においても、いじめはなかなかなくならない。ここはひとつ、大人が率先してお手本を示してみてはいかがだろう。大人がいじめを放置している限り、子どもも真似するのだから。
(文=明石昇二郎/ルポライター)

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