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湯之上隆「電機・半導体業界こぼれ話」

ルネサス、呉元社長はなぜ突如“辞任”? 工場生産中止による“特需”をアテにした浅知恵

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ルネサスの工場停止による“特需”とは

 一度停止した半導体工場を再立ち上げするのは大変である。そんな暴挙を行うべきではない。となると、那珂工場が生産停止しなかったのなら、良かったじゃないかと思うかもしれない。実際、半導体工場で業務を行っている社員は、無駄なエネルギーを使わずにすんだといえる。

 ところが、筆者が3月28日に当サイト、4月12日にEE Times Japanで「半導体工場を止めるなど言語道断」という記事を書いたところ、「ルネサスのコンサル(顧問だったかもしれない)」と称する人物からコンタクトがあり、「ルネサスには工場停止による“特需”があるんだよ。内情を知らない部外者からとやかく言われる筋合いはない」というようなことを言われた。筆者は、「“特需”とはなんですか?」と聞いたが、この人物は答えてくれなかった。だから、“特需”が何かは不明だった。しかし最近、その“特需”とやらが、信頼できる筋からの話で判明した。

 ルネサスは、5月と8月の工場停止により、それぞれ1カ月ずつ、約1万人の社員を帰休させる予定だった。その際、約8割の給料を支払うと報じられていた(4月25日付当サイト記事)。ここで、帰休する1万人の社員の平均年俸を600万円と仮定してみよう。月給は50万円となり、その8割は40万円である。すると、ルネサスは、仕事をしていない社員に、40万円×1万人×2カ月=80億円を払うということになる。

 ところが、信頼筋からの情報によれば、このような一時帰休の給料は、茨城県のなんらかの助成金で賄う予定だったらしい。要するに、ルネサスは経営難を、茨城県の税金を当てにして乗りきるつもりだったのである。さらに、工場を止めれば、電気、水、ガスなどの費用を数十億円、もしかしたら100億円規模でセーブできる。つまり、大雑把にいえば、工場を止めることにより、最大200億円程度の“特需”が見込まれていたということになる。

 ところが、実際には那珂工場は停止しなかった。つまり、“特需”はなかったことになる。それはなぜなのか?

那珂川が渇水し海水が遡上

 ルネサスの那珂工場は、茨城県の久慈川と那珂川に挟まれたひたちなか市にある(図2)。そして、那珂工場の工業用水は、より近い那珂川を水源にしていると思われる。この那珂川と久慈川が渇水し、海水が遡上した。

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