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なぜ『天気の子』は泣けないのか?ラストで提示された“救い”、“描かれない”ことの意味

構成=編集部
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C 社会問題というよりは環境問題について意識してそうな内容ではありましたね。

B 「世界はもともと狂ってる」ってセリフが象徴的だよね。エピローグの東京が水に沈んだ世界とかも、バラード的でかなり心を持っていかれた。

上映後は「面白かった」の声も

A 確かにエピローグは素晴らしい。丘を上がったら彼女が空に向かって祈ってるじゃん。あそこのシーンはグッときたよ。個人的には社会を描けてるとは思わないけど、あのカットで監督は何かをつかんだんじゃない?

C あの時点では能力がなくなっていて、それでも祈ってるところに健気さを感じましたね。

A この映画でこれがやりたかったんじゃないか、って気すらした。悪に覆われていくような嫌な世の中で、何もできないけどただひたすら祈ってる。みんながこういう人間だったら世界はもうちょっとよくなるんだろうなって救いを感じさせるシーンだった。

C そうですね。

B うん、なんだかんだと世間の評価はそこそこいいと思うな。映画が終わった後に「面白かったー」って若いコの声があちこちから聞こえたし。

C ただ、泣いてる人はいなかったです。『君の名は。』はいましたけど。

B 僕も今回『君の名は。』を見返して2回くらい泣いた(笑)。でも『天気の子』は泣かなかった。

A なんでなんだろうね。

C エピローグ自体はいいですけど、しっかりタイトルを回収した『君の名は。』の一番最後のセリフと違って、今回の「僕たちは大丈夫だ」っていうフレーズがちょっと弱かった気がしますね。

A 最後のモノローグもよくわかんないよね。須賀やおばあちゃんは「帆高たちのせいじゃない」的なこと言ってたけど、帆高は最後に「僕たちはやっぱり世界の形を変えたんだ」って。どっちなんだ(笑)。

C そのあたりは受け手に委ねるという感じなのではないでしょうか。でも、説明不足とか整合性が取れてなかったりしてるところはありますけど、前作同様、小説のほうで補完されているかもしれないですし、『君の名は。』でつかんだ客層の10代とか20代前半あたりは、そんな細かいところは気にしないから問題なさそうな気もします。

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