朝日の大誤報を生んだ“スクープ合戦”というゲーム…新聞協会賞応募作に見る新聞の未来

優秀な記者が、転職してスクープ記事を飛ばす

 また一方で、新聞協会賞への応募作品は、各社の“体力”を示すリトマス試験紙になるという指摘も。

「経営体力の悪化が指摘される時事通信は、各社が後追いするようなスクープを出せていないため、昨年の2018年度はニュース部門には応募しませんでした。今年は『日銀、長期金利の上昇容認』のスクープを応募していますが、内容はかなりマニアックで、受賞が難しいのは明白でしょう。一方で要注目なのは、時事通信のライバルの共同通信が応募した、『障害者雇用水増し問題』のスクープ。この記事の代表者はなんと、時事から共同に転職した女性記者なんです。この記者に限らず最近は、時事の優秀な記者が、比較的待遇のよい共同に移るケースが目立っていますね」(全国紙経済部中堅記者)

 今年度の新聞協会賞は、各部門の選考分科会を経て、9月4日の選考委員会で受賞作品が決定される。新聞業界内のゲームという側面の強い「前打ち型スクープ」が受賞するのか、あるいは社会の問題点をあぶり出す「調査報道型スクープ」が受賞するのか。受賞作品から垣間見えるのは、マスコミ業界の明るい未来か、それとも暗い未来だろうか?

(文=編集部)

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