確かに、見た目やキャラクターを変えただけで、フォーマットはヒットゲームと同じ、なんていう質の低いタイトルも少なくない。だが、なかには本格的なRPGや、リアルタイムでのオンライン対戦も可能な高クオリティー作品も数多くあり、スマホを1台持つだけで手軽に遊べるその利便性から、ゲーム業界、特に携帯ゲーム機業界に与えた影響は計り知れない。実際にニンテンドー 3DSはほぼ新作タイトルが出ておらず、PS Vitaに至っては本体の生産を終了してしまっている。

クラウドゲーム登場で任天堂とソニーはどう出る?

 こうした業界の転換点たる変化の波は、携帯ゲームに限ったことではない。家庭用ゲーム機業界の、新たな黒船になりうるとうわさされるのがクラウドゲームだ。

「クラウドゲームは00年代の後半から試験運用が開始されていたサービスで、簡単にいうなら“ゲームソフトもゲーム機本体も必要としないプラットフォーム”です。ゲームのタイトルや従来の家庭用ゲーム機が担っていた高性能な処理をすべて、提供するクラウドのサーバー上でやってしまうので、プレイヤーの持つ端末はあくまでモニター兼コントローラーになるということです。なかでも今注目されているのは、グーグルが提供する『Stadia』。また、マイクロソフトも『Project xCloud』というクラウドゲームサービスを準備中です」(同)

 いわばネット上に高性能な家庭用ゲーム機やソフトがあるともいえるクラウドゲーム。我々はそこに接続してゲームを受け取り、操作するだけ。ハードという存在、そして「高くて良いゲーム機を買う」という概念すら過去のものになっていく未来も見えている。こうした、ゲームハードを必要としないクラウドゲームが動きだした今、家庭用ゲーム機で業界を牽引してきた任天堂はどのような立ち位置で動いていくのだろうか。

「任天堂のDNAは玩具産業であることと、ゲーム&ウォッチの大ヒットなどの経緯もあり、ハードウェアとソフトウェアの両方からエンターテインメントをつくりあげるという意識を持った企業です。任天堂はこれまでの常識に逆らってスマホゲームビジネスに参入しましたが、幸か不幸か据え置き型ゲーム機 兼 携帯ゲーム機とも言えるNintendo Switchが大ヒットしてしまいました。そのため、少なくともSwitchの次世代機までは発売するでしょう。ただ、クラウドゲームの影響次第では次・次世代機の発売があるかどうか、今はまだわかりませんね」(同)

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