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中西貴之「化学に恋するアピシウス」

ランチに海鮮丼、アルツハイマー病抑制や認知機能改善に効果か

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 筑波大学の研究グループが行った動物実験で、軽運動を行ったマウスにアスタキサンチンを摂取させることによって、海馬機能は1.3倍も向上し、脳の顕微鏡観察によって神経細胞が増加していることが確認されました。

 神経機能が低下するアルツハイマー病は、いまだ決定的な治療薬が見つかっていません。その理由は、現在の医薬品の多くが脳の神経細胞に作用し、細胞の機能を高めるものの、一方でアルツハイマー病によって神経細胞が次々に失われていくため、最終的には医薬品が作用すべき神経細胞がなくなってしまい、薬が効かなくなることにあります。

 これを回避し、治療効果を発揮するためには、アルツハイマー病患者の脳神経細胞を増やす方法を発見しなければなりません。今回の研究で、軽度の運動とアスタキサンチン摂取の併用が海馬の機能を高めることが、マウスの行動実験ならびに細胞観察の両方で確認できました。そのため、人間においても新たな脳神経細胞を生み出し、アルツハイマー病の進行抑制や認知機能の改善に貢献することが想定されます。

 近年の難治性疾患医薬品は、非常に高価になる傾向があります。高額な医療費は家計への負担が大きくなるほか、社会保険制度を疲弊させます。ランチに海鮮丼を食べてアスタキサンチンを摂取し、脳を活性化させて午後のビジネスに臨んだ後は、一駅歩いて帰る、それだけのことで将来の疾患リスクを低減できるのであれば、取り組まない手はありませんね。
(文=中西貴之/宇部興産株式会社 品質統括部)

【参考資料】
サクラエビ、驚愕の健康効果!糖尿病予防や動脈硬化改善、目の疲労回復…」(本連載2017年3月30日付記事)

アスタキサンチン摂取は軽運動による海馬機能向上効果をさらに増強する」(筑波大学)

若さを保つ『赤い』食べ物 魚の有用成分―アスタキサンチン」(OMD)

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