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記者ゼロ&社員の6割がエンジニアのメディアが、他の大手メディアから引っ張りだこのワケ

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JX通信社代表取締役の米重克洋氏

「報道機関もビジネス。報道の機械化で、ビジネスとジャーナリズムの両立を目指します」

「記者ゼロ、AIで報じる」通信社として知られる「JX通信社」の米重克洋代表取締役は5月23日、公益社団法人自由報道協会で行われた記者会見でこう語った。

 米重氏が同社を設立したのは、大学在学中の2008年。以降、ソーシャルネットワークを使った新しい報道機関の構築に力を注いできた。「機械ができることは機械に任せて、人間は人間にしかできないことに集中できる解決策を提示したい」(米重氏)という思いがベースにある。

 現在、社員は28人いるが記者はゼロ。社員の6割はエンジニアで、「機械でどこまで通信社の機能を再構築できるか、チャレンジしている」(同)という。すでに、共同通信デジタルやQUICK、テレビ朝日ホールディングスなどの既存メディアが出資しているという。

 主な業務として手掛けているのは、AIによる緊急情報サービスの「FASTALERT」、一般消費者向けのニュース速報アプリ「NewsDigest」、報道機関向けの世論調査などだ。「FASTALERT」は、NHKをはじめ大半のテレビ局で導入されているという。

 米重氏は、こうしたビジネスが成功している背景として、既存のメディアが抱える3つの課題を挙げている。

「既存の報道機関は、何から何まで人間がやる構造になっている。そして、デジタル化が遅れている。3つ目は、相対化されて質が問われているのです」(同)

 つまり、「コストと働き方」「情報流通と収益」「質と付加価値」という3つの課題を突き付けられているのだという。

「労働集約型では行き詰まります。コストを削減するためには、人を減らすか報酬を減らさねばなりません。しかし、その結果、長時間労働などの問題が出てくるわけですし、優秀な人材を惹きつける力が損なわれる。ますます悪循環に陥るわけです」(同)

 こうした状況をビジネスとして解決するためには、収益を上げてコストを下げる必要があるわけだ。情報流通の問題では、大手メディアはデジタル対応に遅れているという点も見逃せない。

「スマホというのは、驚異的な『時間吸引力』があります。従来無駄だった時間を接触時間に変えることができますし、ゲームでも音楽でも動画でもなんでもある。さらに、プラットフォームはデータの蓄積でさらに最適化され、報道が流通に取り組みきれないうちに、ユーザーはプラットフォームに集中しているのです」(同)

 しかも、インターネット上には無数の新メディアが誕生し、ニュース以外の領域の事業者とも競争が発生。5Gの破壊的なインパクトのなかで、通信と放送の垣根は消滅しかかっている。もはや、大手4マスメディアだけがメディアではない時代が到来したといえよう。

「こうしたなかで報道産業が生き残っていくためには、産業構造の転換が必要だと思います。機械化、自動化を進めていくなかで軽いコスト構造にし、滞在時間を最大化する流通構造を獲得して収益を最大化し、コスト削減と収益最大化で競争力向上に投資していかなければならないのです。

 だから、私たちはテクノロジーで報道の機械化を目指しているわけです。災害情報などでSNSを活用すれば、当局が得られないような情報の収集も可能ですし、写真・動画などでの現状確認もできます。取材の初動が早くなる。特オチを防ぐことにもなります」(同)

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