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片山修のずだぶくろトップインタビュー 第17回 下義生氏(日野自動車社長)

日野自動車、トラックへのAI活用で「日本の物流」に革命…ドライバー不足解消へ

文=片山修/経済ジャーナリスト、経営評論家
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片山 それは、画期的な目標ですね。高齢ドライバーのペダルの踏み間違いなど、操作ミスによる事故は、乗用車で問題になっていますよね。

下 安全に関する技術開発は、とにかく先頭を切って取り組んでいきます。プリクラッシュセーフティ(追突被害軽減ブレーキ)で歩行者などを検知して、警報ブザーを鳴らす、ディスプレイで危険を知らせる、自動でブレーキをかける、あるいは車線逸脱警報など、これらはすでに全車両で標準搭載しています。大型、中型トラック、大型観光バスでは、車両ふらつき警報やドライバーモニターなども標準搭載です。ドライバーの安全運転の支援と同時に、いざというときは、クルマそのものが止まる技術も開発しています。

 それから、観光バスに「EDSS」をつけて、ドライバーの体調に異常があった場合に乗客が非常ボタンを押せば安全に停車できる仕組みも、世界で初めて商用化しました。

片山 その分、クルマの値段は高くなりますが、その点はいかがですか。

下 高くなりますが、逆にいうと、思い切って標準装備化して台数を出さないと、サプライヤーさんも価格を下げられないので、方針として決めて取り組んでいます。トヨタグループから、乗用車で開発したものを横展開で提供してもらうものもありますが、ただ、トラックは大きく重いですから、止まるにも乗用車より時間がかかるんですね。センシングは乗用車より先を見ていないといけません。したがって、サプライヤーさんにも、商用車としての要求を申し上げています。

 日野だけでは数が限られますから、トレイトンさんとの提携、あるいは隊列走行ではいすず(「ず」の正式表記は踊り字)さんなどと一緒に、開発を行っています。

片山 トヨタグループでありながら、VWグループの企業と提携したときには、正直、驚きましたが、そのような背景があるんですね。

下 商用車が直面している課題は、トヨタグループのなかにいるだけでは解決が難しい部分があります。

 私は、安全技術は商品差別化の要素にしてはいけないと思っています。いい技術であれば他のメーカーさんにも使ってほしいし、他のメーカーのものでも使わせていただきたい。同じ技術を使った同じ製品をたくさん出して、廉価にして普及させ、より安全な物流や人の移動を実現することは、絶対に取り組まなければならない問題です。

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