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05年に独立し、TKPを設立。17年、東証マザーズに上場した。事業の多角化やM&A(合併・買収)を進め、一時、経営危機に陥った大塚家具の支援に乗り出し、知名度は全国区になった。今年5月には、「リージャス」ブランドでシェアオフィスを世界に展開するIWG(スイス)の日本事業を450億円で買収した。
現在、貸し会議室を全国各地に400拠点を展開しているが、今後10年間で1500拠点にまで拡大する。20年2月期の売上高は前期比19%増の422億円、営業利益は4割増の60億円と、いずれも過去最高を更新する見込みだ。
地元の活性化に貢献するため、12年から3年間、トリニータのスポンサーを務めていた。河野氏は大分特産の「豊の国かぼす特命大使」でもある。河野氏はJ1のトリニータの筆頭株主となり、故郷に錦を飾る。
ジャパネットたかた、RIZAPグループ、メルカリがJリーグ参入
かつてJリーグの有力チームは大企業がスポンサーだった。鹿島アントラーズは住友グループ、浦和レッドダイヤモンズは三菱重工業などの三菱グループ。FC東京は東京ガスなど、川崎フロンターレは富士通グループ、横浜Fマリノスは日産自動車グループ、名古屋グランパスはトヨタ自動車グループ、ガンバ大阪はパナソニックグループといった具合だ。
ここへ新興企業が進出してきた。その草分けがヴィッセル神戸を経営する楽天だ。楽天の三木谷浩史会長兼社長は、自身の出身地である神戸のチームのオーナーとなった。
V・ファーレン長崎は17年、テレビショッピングで有名なジャパネットたかたの親会社であるジャパネットホールディングスが買収して、100%子会社に組み入れた。テレビでお馴染みの高田明氏がV・ファーレン長崎の社長に就任。クラブを立て直し、J1に昇格。弱小チームのJ1昇格は“Jリーグの奇跡”といわれた。だが、1年でJ2に降格。今季、J1復帰を狙う。
RIZAPグループは18年4月、共同出資会社経由でJ1の湘南ベルマーレの経営権を取得した。親会社を持たない“市民クラブ”だった湘南は幾度か経営危機に見舞われたが、ようやく親会社を持ち、RIZAPグループから資金的サポートを受けることになった。RIZAPの瀬戸健社長は、「10億円の資本投下と20年までのタイトル獲得」をコミットした。ところが、この1年でRIZAPの経営状態は一変し、大リストラを迫られている。湘南を買収した際の公約は実現できるのだろうか。
7月30日には、Jリーグ屈指の名門、鹿島アントラーズがメルカリに“身売り”されたことが明らかになり、大きな話題になった。IT系企業を中心として、急速に新興企業がJリーグの経営に食い込み始めた。永続的・安定的な運営ができるのかに関心が集まる。
(文=編集部)