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榊淳司「不動産を疑え!」

あと数年待てば、マンションより低コストなミニ戸建て住宅が増え始める?

文=榊淳司/榊マンション市場研究所主宰、住宅ジャーナリスト
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区分所有制度の致命的な欠陥

 私は『すべてのマンションは廃墟になる』(イースト新書)や『限界のタワーマンション』(集英社新書)などで、日本の区分所有制度には致命的な欠陥がいくつもあることを指摘してきた。不動産業に携わる人間は、仮にマンションを購入しても永住しようとは考えない。時期を見計らって売却するケースが多い。彼らは区分所有制度の欠陥を理解しているからだ。こういった感覚が、一般消費者にも徐々に広がりつつある。

 戸建てならば、日常生活は多少不便で断熱性や遮音性には劣るが、ハード面で何かがあっても所有者の意思で対応できることがほとんどである。所有者に経済力さえあれば廃墟になることはない。

 しかし、集合住宅では個人の意思は数十分の一、あるいは数百、数千分の一でしかない。管理組合において民主主義が機能しなくなれば、そのマンションは廃墟になる可能性が高まる。

 日本人は今まで上手に民主主義を使いこなしてきたのだろうか。それを考えれば、郊外の生産緑地はマンションよりも戸建て住宅群に変わるほうが、未来の風景は平和的であるように思える。
(文=榊淳司/榊マンション市場研究所主宰、住宅ジャーナリスト)

榊淳司/榊マンション市場研究所主宰、住宅ジャーナリスト

榊淳司/榊マンション市場研究所主宰、住宅ジャーナリスト

不動産ジャーナリスト・榊マンション市場研究所主宰。1962年京都市生まれ。同志社大学法学部、慶應義塾大学文学部卒業。主に首都圏のマンション市場に関する様々な分析や情報を発信。
東京23内、川崎市、大阪市等の新築マンションの資産価値評価を有料レポートとしてエンドユーザー向けに提供。
2013年4月より夕刊フジにコラム「マンション業界の秘密」を掲載中。その他経済誌、週刊誌、新聞等にマンション市場に関するコメント掲載多数。
主な著書に「2025年東京不動産大暴落(イースト新書)※現在8刷」、「マンション格差(講談社現代新書)※現在5刷」、「マンションは日本人を幸せにするか(集英社新書)※増刷」等。
「たけしのテレビタックル」「羽鳥慎一モーニングショー」などテレビ、ラジオの出演多数。早稲田大学オープンカレッジ講師。
榊淳司オフィシャルサイト

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