20年5月期の連結売上高は19年同期比35%増の138億円、営業利益は7億2400万円の黒字に転換する見込み。純利益の予想は開示していないが、最終損益も黒字になる見通しとしている。5期連続の赤字から水面上に浮上する。

 法人向けサービスでは、メガバンクや総合商社など大企業向けの営業体制を拡充するほか、外部のクラウドサービスとのデータ連携を強化し付加価値を高め、一契約当たりの売り上げを伸ばす。個人向けはマーケティング広告を軸に、単年での黒字化を目指す、としている。

 Sansanは足元の業績が赤字のまま上場したが、「成長性を考慮すれば割安」(新興市場を注視するアナリスト)との声があり、実際に株価は上場以来、ジリ高基調が崩れていない。IPOは初値の上昇率ばかりに目が行きがちだが、公開価格をしっかり見極めることが重要だということを同社の株価が教えてくれる。

三井物産出身の起業家

 創業者の寺田親弘氏は1976年12月、東京都生まれの42歳。父親が起業家だったことから、起業家を目指した。慶應義塾高校から慶應義塾大学SFC(湘南藤沢キャンパス)の環境情報学部に進学。SFCは起業家を多数、輩出している。

 99年に三井物産へ入社し、情報産業部門に配属された。2001年、米シリコンバレー駐在となり、米ベンチャー企業の日本市場でのビジネス展開を支援する仕事をした。帰国後、社内ベンチャーを立ち上げたほか、セキュリティ対策会社、三井物産セキュアディレクションに出向、経営管理部長に就いた。

 もともと起業家志向の寺田氏は、三井物産を退社。07年、三三株式会社を設立した。「名刺」に着目したのは、誰もが使うツールにもかかわらず、個人としても組織としても、まともな管理方法が確立されていなかったからだ。人と人とのつながりをデータベース化することで、すごいことができそうだという感触はあったという。

 起業にあたって、日本オラクルにいた富岡圭氏に声をかけた。当時、中国にいた富岡氏を口説きに行き、2人で世界最大のダムである三峡ダムを旅した。その折り、三三という社名(サービス名は「Sansan」)にしようと決めた。

 富岡氏は共同創業者となって取締役・Sansan事業部長に就き、14年に商号を三三からSansanに変更した。

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