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吉本興業、大株主=テレビ局が報じない経営危機…「赤字116億円」という地雷

文=編集部

上場廃止後は赤字を垂れ流してきた

 吉本は15年3月期に子会社群の評価損などで47億円の特別損失を計上。当期純損益は32億円の赤字となり、利益剰余金は140億円のマイナスとなった。このマイナスを消すため、125億円の資本金を1億円に減資した。124億円が損失の穴埋めに使われた。出資した株主がそれぞれ持ち分を減らすことになったわけで、上場会社であれば大崎社長は引責辞任を免れなかっただろう。

 今年6月の定時株主総会で吉本は、吉本興業ホールディングス(HD)へと社名を変更した。所属タレント約6000名を管理する、よしもとクリエイティブ・エージェンシーの社名を吉本興業とした。この全社の資本金は1000万円で、吉本興業HDが100%出資する完全子会社である。吉本興業HDの会長は大崎氏、タレントのマジメント子会社・吉本興業の社長に岡本氏が就いた。

 旧・吉本(現吉本興業HD)の18年3月期の決算公告では、損益計算書は公開されていない。貸借対照表の要旨のみだが、一部を記載する。

「純資産の部」(単位百万円)
株主資本 12,567
資本金 100
資本剰余金 24,104
(資本準備金 12,614)
(その他資本剰余金 11,489)
利益剰余金 ▲11,636
(うち当期純利益 710)
評価・換算差額等(有価証券評価差額金など) 1,001

 当期純利益を7億円計上したが、なお利益剰余金が116億円のマイナスとなっている点がポイントだ。上場会社としての最後決算である09年3月期決算の売上高は488億円、当期純利益は6億円の黒字だった。

 ところが非上場となるとともに企業規模が膨脹し、赤字体質に陥った。125億円の資本金を1億円に減少しても赤字を解消できなかった。次は資本準備金を取り崩して利益剰余金のマイナスを消すしかない。

 旧・吉本の最後の決算となった19年3月期の決算で、マイナスをどう処理したか気になるところだが、決算公告では明らかにされていない。

 株式を公開していない“閉じられた会社”になって10年。規模はとてつもなく膨れ上がったが、数字で見る限り、経営は合格点にはほど遠い。

 吉本興業HDの大株主である民放各社は“株主責任”を追及される可能性もある。大株主には「経営陣を刷新する」強権の発動を求められることがあるためだ。

 吉本興業HDは、経営の根本が問われている。在京、在阪民放各社は“対岸の火事”として安閑としてはいられないはずだ。民放各社は、れっきとした上場企業である。それぞれの会社の株主から「吉本興業の経営に、どうコミットしたのか?」と問われたら、どう答えるのだろうか。
(文=編集部)

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