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山崎将志「AIとノー残業時代の働き方」

気分や日々使う言葉、仕事のパフォーマンスを大きく左右との研究結果

文=山崎将志/ビジネスコンサルタント
気分や日々使う言葉、仕事のパフォーマンスを大きく左右との研究結果の画像1
「Gettyimages」より

 

 皆さんは、毎日ウキウキ、ワクワクした気分で仕事を始められていますか。電話に出る時、メールを開くとき、ポジティブな気持ちで対応できていますか。人によってはあまり重要視していないこの気分の問題ですが、実は仕事パフォーマンスと密接にかかわりがあることが、さまざまな研究によってわかっています。

『第1感「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい』(マルコム・グラッドウェル/光文社)に面白い実験が紹介されていました。皆さんもやってみてください。

 これから3つ問題を出します。各設問に出てくる単語を文法的に正しく並べ替えてください。

まず1問目。「靴を」「古い」「履き替えろ」。

2問目。「だろう」「彼らは」「寂しい」。

3問目です。「レーズンを」「する」「日光が」「しわだらけに」

 いかがでしょうか。正解の文は、1問目は「古い靴を履き替えろ」、2問目は「彼らは寂しいだろう」、3問目は「日光がレーズンをしわだらけにする」ですね。楽勝だったことと思います。

 さて、このテストの意味についてお話しします。

 ジョン・バージという心理学者が、学生を部屋に呼び、この単語並べ替え問題を10問解かせて、部屋を出る学生の様子を観察しました。すると、学生の足取りは来た時よりも重かったというのです。

 先ほどの問題を振り返ってみると、「古い」「寂しい」「しわだらけ」といった単語が並んでいます。心理学者が出した他の問題には、「心配した」「灰色」「撤退」などの単語が含まれていました。ただの文法テストだと思われたでしょうが、実はそのような単語や文を読ませることで、脳内に年を取った状態について考えるように仕向けられた問題だったのです。テストを受けた本人は主体的に老化について考えていたわけではないにもかかわらず、無意識の世界が老化のイメージで占められてしまったため、テストを終えて教授室を出る頃には高齢者のような歩き方になってしまった、というわけです。

 きっと私が問題を出したことで、皆さんにもそうしたイメージを抱かせてしまったことでしょう。いったんそのイメージはクリアしていただいて、もう一つ別の実験をご紹介します。

 先述の心理学者ジョン・バージは、2種類のテストを用意しました。

 一つは、強引、大胆、無礼、困らせる、妨げる、邪魔する、侵略する、などの単語が並んだもの。もう一つは、尊敬する、思いやりのある、感謝する、我慢強い、従う、丁寧な、礼儀正しい、といった単語が並んだものです。

山崎将志/ビジネスコンサルタント

山崎将志/ビジネスコンサルタント

ビジネスコンサルタント。1971年愛知県生まれ。1994年東京大学経済学部経営学科卒業。同年アクセンチュア入社。2003年独立。コンサルティング事業と並行して、数社のベンチャー事業開発・運営に携わる。主な著書に『残念な人の思考法』『残念な人の仕事の習慣』『社長のテスト』などがあり、累計発行部数は100万部を超える。

2016年よりNHKラジオ第2『ラジオ仕事学のすすめ』講師を務める。


最新刊は『儲かる仕組みの思考法』(日本実業出版社)

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