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石原さとみ『Heaven?』の低調を招いた3つの誤算

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石原さとみ『Heaven?』の低調を招いた3つの誤算の画像1
『Heaven?~ご苦楽レストラン~』|TBSテレビ」より

 今夏のドラマが揃う中、もっとも脱力感を誘う作品となっているのは、『Heaven?~ご苦楽レストラン~』(TBS系)。

 その脱力感が「何も考えず気楽に笑える」というポジティブなものなのか、「あまりにつまらなくて力が抜ける」というネガティブなものか。世間の目は真っ二つに分かれているが、ネガティブどころか、拒絶するようなコメントも少なくないのは気がかりなところだ。

 実際、序盤を見る限り、脚本・演出ともに制作サイドの狙いが外れたところが散見される。どんな誤算があって、拒絶するようなコメントを生んでしまっているのか。3つのポイントを、批判的な声の多い順に挙げていく。

変わり者、傍若無人になりきれないヒロイン

 まずひとつ目の誤算は、石原さとみと彼女が演じる主人公・黒須仮名子のキャラクター。黒須は「自分が食事とお酒を楽しむためだけに店を開き、繁盛させる気はない」という変わり者であり、従業員を筆頭に周囲の人々を振り回す傍若無人な女性として描かれている。

“変わり者”“傍若無人”というキャラクター設定は既視感が強い上に、笑えるところまで突き抜けていればいいのだが、「本当に変わり者なの?」と感じるレベルで停滞。演じる石原も、これまで何度も指摘されてきた声の上ずりや早口が指摘されるなど、魅力を感じさせる以前の問題を見せている。

 ネット上のコメントを拾っていくと、いかに主人公と石原でつまずいている人が多いかを感じさせられる。ただ、石原に非があるかと言えば、そうではないだろう。支持を得にくい役柄ながら、ファッションでも楽しませるアイコン女優としても奮闘しているし、石原以外の助演俳優たちを擁護する声も目立つだけに、やはり制作サイドの責任は重そうだ。

 最大の誤算は、いまだに「何がテーマのドラマなのかわからない」「何を楽しみにして見ればいいのかわからない」という声に集約されている。これが、批判的な声を生んでいる2つ目のポイントだ。

 実際、ここまでは「明確な目標は提示されず、わかりやすい悪役もおらず、ピンチもそれほどではない」という印象が強い。これでは、コメディの基本である“緊張と緩和”のうち“緊張”がないことになり、生まれる笑いが小さくなってしまう。

レストランがらみの笑いやオチがない

 第4話の冒頭でも、仮名子がコワモテの男2人から「期限はとっくに過ぎている!」「明日までに用意しろ!」と詰め寄られ、従業員たちは「借金で店がつぶれる」「誰かクビを切られるのでは?」「保険金をかけて殺すつもりだ」と危機感を抱くシーンがあった。

 さらに、仮名子は思い詰めた顔で川合太一(志尊淳)に「あなた、どんな死に方がいい?」と尋ねたり、首吊り自殺未遂をしたり……。しかし、大半の視聴者は「きっと借金取りではないし、自殺する気もないだろう」と感じていた。あまりに見え見えの“ピンチフラグ”すぎて、少しも「まさか」とは思えなかったのだ。

 案の定、仮名子の正体はミステリー作家で、「密室のトリックを考えていた」「自殺未遂の首吊りも実験していただけ」「コワモテの男2人は借金取りではなく出版社の編集者」にすぎなかった。仮名子と店にとってさしたるピンチではなく、視聴者に緊張感を抱かせなかったことで、笑いは生まれにくかったのだ。

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