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ラウンドワン、“値上げで若者殺到”の特殊現象…ほかでは体験できないような楽しみ方を実現

文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント
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米国事業も順調

 ラウンドワンの業績は好調だ。直近本決算の19年3月期連結決算は、売上高が前期比5.6%増の 1013億円、本業のもうけを示す営業利益が8.6%増の114億円だった。売上高は3年連続の増収で、16年3月期(835億円)からは2割強増えている。営業利益も3年連続で増益だ。

 業績が好調なのは、オワコンの再生に成功して国内事業が上向いたためだが、米国事業が順調なことも大きい。むしろ米国事業の寄与度のほうが大きいといえる。

 米国では10年に1号店がオープン。店舗を徐々に増やしていき、19年3月末時点で32店となった。郊外店が多い日本とは異なり、米国では大型ショッピングセンターに出店している。それにより、ショッピングセンターで買い物を楽しむ家族連れを取り込むことができたほか、夜間は大学生を中心とした若年層を取り込むことに成功した。米国は少子化が進む日本と異なり若年層が多く、またボウリングやゲームセンター、カラオケを楽しめる複合施設が少なかったことが顧客獲得につながった。

 米国事業は好調だ。19年3月期の売上高は前期比41%増の163億円と大きく増えた。経常利益は14億円を計上している。同期において全米10州に11店舗を出店し、一気に32店舗にまで拡大した。

 米国では今後数年で120~130店にまで増やす考えを示している。中国やロシア、アジア各国への出店も検討しているという。

 米国では小売業の不振が追い風となっている。アマゾンなどネット通販の台頭で小売店舗の閉鎖が相次ぎ、出店候補地が増えているためだ。昨年10月には米小売り大手シアーズ・ホールディングスが経営破綻した。ショッピングセンターから退店するケースが増えており、ラウンドワンはその跡地に狙いを定めている。

 好調な米国事業と復権しつつある国内事業を背景に、20年3月期は大幅な増収を見込む。売上高は前期比7.9%増の1093億円、営業利益は3.7%増の118億円を計画している。オワコン企業から脱却し、グローバル展開の「ナウい」企業に変わることができるのか。

(文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント)

●佐藤昌司 店舗経営コンサルタント。立教大学社会学部卒。12年間大手アパレル会社に従事。現在は株式会社クリエイションコンサルティング代表取締役社長。企業研修講師。セミナー講師。店舗型ビジネスの専門家。集客・売上拡大・人材育成のコンサルティング業務を提供。

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