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LIXIL、分裂危機、旧INAXと旧トステムに…経営闘争敗北の潮田元会長、反旗を翻すか

文=編集部
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機関投資家の「信」を失った潮田氏

 潮田氏は役員人事を決める指名委員会に、株主総会での取締役候補の選任を委ねた。指名委員会が出した結論は、潮田氏の意を酌んだものだった。

 株主総会に会社側が提案する取締役候補10人のうち6人が6月5日、東京都内で記者会見した。社外取締役候補でコニカミノルタ前社長の松崎正年氏は、「現取締役はすべて退任し、社外取締役を中心にコーポレートカバナンス(企業統治)を再構築していくことが合理的だ」と強調した。

「現取締役すべて退任」というのは、まさに反潮田の急先鋒である瀬戸氏と伊奈氏の追放を狙ったものであった。しかも、会社側の唯一の社内取締役候補の大坪一彦執行役副社長は、潮田氏の側近。潮田氏が「院政」を敷く意図は明白だった。それでも、正式の手続きを踏んで取締役候補をまとめたことで「潮田氏側は勝利を確信した」(関係者)。日本の株主総会で会社提案が負けることは、ほとんどないからだ。

 総会では会社側が提案した取締役(8人)と、瀬戸氏側が提案した取締役(6人)、さらに会社と瀬戸氏側の両方が提案した2人の選任が諮(はか)られた。結果は、瀬戸氏側は重複していた2人を含めて全員承認されたが、会社提案は8人のうち2人が否決され、瀬戸氏側の勝利となった。

 負けるはずのない会社案が敗れたのは、機関投資家が潮田氏の息のかかった指名委員会が選んだ取締役候補に不信感を抱いたからだ。会社案では潮田院政体制になると判断した。

 国内最大の機関投資家である日本生命保険は、会社案だけでなく、瀬戸氏側の取締役に賛成票を投じた。メガバンクも瀬戸氏側に賛成票を投じた。

瀬戸氏は潮田派取締役の一掃を狙う

 瀬戸氏が経営権を奪い返し、CEOに返り咲いたとはいえ、薄氷を踏む思いの勝利だった。圧勝したわけではなく、権力基盤は脆弱だ。新体制では取締役会を仕切る取締役会議長に“反瀬戸”を標榜してきた松崎氏が就いた。取締役会は瀬戸・新CEOと松崎氏の綱引きが演じられ、紛糾することが予想される。

 瀬戸氏は「14人の取締役会では質の高い議論が議論できるわけはない」「来年以降、会社の提案として取締役を5~9人に絞らなければいけない」(6月28日付日本経済新聞より)と述べている。取締役を選任する指名委員会でも瀬戸氏側が過半数を制した。指名委員会5人のうち、瀬戸氏側は委員長の西浦裕二氏(三井住友トラストクラブ元会長) 、伊奈氏、鬼丸かおる氏(元最高裁判事)の3人。潮田氏側は松崎氏と河原春郎氏(JVCケンウッド元会長)の2人。

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